第8話 飛び交う策謀
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ェンドに乗り込むための手段たるプラムは、必須だからだ。
そして、その二人をこのゲームでも使い回してるのなら、魔法は使われて当然。さらに、奇襲に失敗した空をシグは撃たなかった……つまり自分に見えるシグは幻惑魔法という事になる。
────いや、それ以前にシグはエルキア連邦を丸ごと奪っていったのだ。ならば魔法や異能の類、味方につけるのはむしろ当然とさえ言える。
そんな当然にさえ目が行かないほど────『 』はルールの穴を意識させられていた。シグがルールの穴をわざわざ意識させたのは────本命の策を隠す為のレトリックだった。
ジブリールやイミルアインの参加を禁じたのも、シグが一方的に魔法を使う為だったのだろう。それを、上手いタイミングで課す事で煽りの意図と誤認させたのだ。
そう、直感に追いついた理論が告げる────だが手遅れだ。
シグは、既に二人の位置を把握した。魔法を味方につけたシグの弾丸は、確実に二人を狙って襲ってくる。弾道からシグの位置を把握するのも不可能、音も消される可能性が高い。
それどころか、弾丸そのものの姿を消されてもおかしくない。
反撃も回避も不可能────詰みだ。
────ならば、やられる前にやる。乱射し続ければ、魔法の連続使用が危ういプラムは削り切れる。
そして、シグを守るベールを剥がして────残機を削り切る。
当然、それだけではフィールの対策が取れない。だが、魔法に干渉出来ないのなら物量で削る他ない────これ以上に出来る事は無い。
あまりに無謀な作戦、と空は笑う。笑うしかない────そこまで追い込まれた自嘲と、そこまで追い込んだシグへの賞賛が空を笑わせた。
────いいだろう。無茶など『 』にとっては日常。綱渡りなど『 』にとっては茶飯事。逆境など、むしろ大親友でさえある。この程度のピンチで、音を上げてやる気など────サラサラない。
「白、分かってるな。────やるぞ」
「りょー、かいっ」
2人は同時に頷いて、エアガンをバラバラの方向に構える。
そして────
次の瞬間、大きく発砲音を響かせた。
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