第8話 飛び交う策謀
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も不用意に出てきているはずがない。恐らくシグの狙いは、残機一つは捨てるつもりで『 』の位置を炙り出す事。
出てくるのが空であれ白であれ、1機捨てるだけで相手の3機を削りきる自信があるのだろう。『後の先』を狙ったその策────だが、『 』はそれを織り込んでさらに上回る策を用意している。
後の先で空を狙うシグを、時間差で白が追い討ちする────不可避の跳弾弾幕で。
2VS1にも関わらず、2人が同じ場所に隠れるなど悪手にも程がある────一人の位置が割れた瞬間にもう一人も危険に晒すなど、デメリットとして十分過ぎる。そのあまりの悪手で、シグを瞬殺する────それこそ、『 』の策だった。
シグに身体性能で劣る『 』は、先制攻撃には向かない。そしてシグは先制攻撃に向いている────ならば、膠着状態を作ったところで互いに取れる行動は変わらない。故にシグが先に仕掛けないことも有り得ない────故に、これは完璧な策だった。
────だが。
確実にシグを襲うはずだったゴムの弾丸は────シグの手前で静止した。
「────ッ!?」
全くの想定外に、空も白も絶句する。
────あり得ないのだ。明らかに物理に反した事象。つまり、この事象を引き起こしたのはシグではない。何故なら、この事象のからくりは────
「誰だ!?誰が手を貸してるシグ!?」
────魔法の使用に他ならない。つまり、協力者がいる。即断し別の物陰に飛び込み、問う空に答えたのはシグでは無かった。
「はぁい、フィール・ニルヴァレンなのですよぉ〜♪」
そう答える声に、空の脳裏を直感が走った。
咄嗟に白の方向を一瞬だけ見る。白は物陰から追撃しようと動こうとしていた。
それを確認した空は、明後日の方向を向いて叫んだ。
「待て白、そいつは幻惑魔法だ!!」
だが遅い。白は既に引き金を引いていた。放たれた弾丸の帰ることはなく、物理に従いシグへと駆け────そして突き抜ける。
「え……?」
驚愕に顔を染める白。空は、「やっぱり」と焦燥に顔を顰めた。
────何故、幻惑魔法と見破れたのか?
シグが、東部連合とオーシェンドを賭けられたからだ。つまり、東部連合の必勝ゲーの『対策術式』を持つフィールと、そもそもオーシ
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