機動戦士ガンダム
2149話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
グラナダに対する通信は、すぐに終わった。
俺の顔を見せての一方的な通信だったが、それでもグラナダで俺の戦闘を見て恐れている者達にとっては、安心出来る内容だった筈だ。
向こうから手を出さない限り、こっちも同様に手を出さないというのは、一般人にとってはこれ以上ない程の保証なのは間違いなかった。
……とはいえ、何か妙な勘違いをして、自分達が何をしても俺が手を出さない、なんて勘違いしたような奴が出てくる可能性も否定は出来ないのだが。
そういう相手は、それこそ自分の楽観的な考えを間違いなく後悔する事になる筈だった。
ともあれ、そんな訳で……ニーズヘッグはそれ以上は特に争う様子も見せずにグラナダの宇宙港に入っていき……
「馬鹿が」
T-LINKシステムを使い、ヒートロッドにしたその尻尾は、隠れた場所からこちらに向かって攻撃を仕掛けようとしていたザクの腕を即座に切断する。
次に尻尾の先に念動力の刃を生成し、残っていた左手と両足、頭部を切断する。
ザクのパイロットにしてみれば、自分がどのような攻撃でダメージを受けたのか、全く分からなかっただろう。
尻尾の動きは、それこそかなりの速度だったのだから。
ともあれ、四肢を切断されたザクの胴体は、そのまま床に落ちて派手な音を周囲に響かせる。
ニーズヘッグが来るということで、俺の入った宇宙港は人の姿がいなかったのは、ある意味で幸いだったのかもしれないな。
そんな風に思いつつ、宇宙港から出てグラナダの街中に入る。
もっとも、宇宙港から出たばかりだからか、周囲に人影も敵影も……いや、いたな。
いたというか、かなりの数がこちらを待ち伏せている。
……宇宙港から出たばかりの場所でこちらを待ち伏せしているのであれば、それこそニムバスみたいにグラナダの外でこっちを待ち伏せすればよかったと思うんだが……その辺、どうなってるんだ?
一瞬そう戸惑ったが、すぐに30機を超えるザクがそれぞれザクマシンガンやザクバズーカの類を持たず、ヒートホークだけを持っているのを見て、納得する。
「なるほど。ニーズヘッグの射撃攻撃を封じたかった訳か」
考えてみれば明らかなのだが、グラナダのような月面都市の中でビーム兵器を使おうものなら、それこそ被害は莫大なものになる。
そして、キシリア……もしくはこの作戦を立てた奴が別にいるのかもしれないが、ともあれこっちの攻撃は射撃戦闘特化とでも思ったのだろう。
正直なところ、間違っていない。
ヒュドラを代表する装備に、ニムバス達を瞬殺した拡散ビーム砲、頭部のビームバルカンもザク程度を相手にした場合は驚異的な破壊力を持つだろうし、エナジーウィングから射出されるエネルギーも、拡散ビーム砲並の、あるいはそれ以上の広範囲攻撃を可能としている。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ