機動戦士ガンダム
2149話
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俺の方を見ているザクは完全に怯えているようにも見える。……いや、怯えているようにしか見えない、というのが正しいか。
事実、ニーズヘッグが尻尾で地面を軽く叩くと、向こうは動揺したように見える。
とはいえ、MSに乗っている以上は当然ながらパイロットの顔が見えない以上、ザクの微かな挙動でそんな風に感じた、というのが正しいのだが。
そんな状況でニーズヘッグを1歩前に進めると……残る3機のザクのうち、2機は手に持っていたヒートホークを地面に落としてホールドアップの態勢をとる。
だが、そんな2機とは違って残る1機は、寧ろニーズヘッグの存在に刺激されて激しく反応し……半ば自棄になったのか、一気にこちらに向かってくる。
両手にヒートホークをそれぞれ1本ずつ持ったその姿は、見る者が見ればかなり迫力を感じるだろう。だが……今のニーズヘッグを操る俺にとっては、寧ろ改修された機体の慣らしにちょうど良い相手でしかない。
「これは、まだ試してなかったな」
T-LINKシステムによって、念動力の糸を生み出すグレイプニルの糸。
ヒートホークを振りかぶって突撃してきたザクの攻撃を回避しつつ、俺はグレイプニルの糸をザクの身体に巻き付ける。
そしてT-LINKシステムによって念動力を込め……次の瞬間、ザクは四肢と頭部がグレイプニルの糸によって切断された状態で、胴体のみが地面に落ちる。
うん、久しぶりにグレイプニルの糸を使ったが、十分使いものになるな。
その事に安堵しつつ、俺はホールドアップの態勢をとっている残り2機のザクに視線を向け、外部スピーカーで声を掛ける。
「降伏するのなら、コックピットから出ろ」
その言葉に従って、ジオン軍のパイロットスーツに身を包んだ2人のパイロットがコックピットから降りてくる。
両方とも男なのは、そのパイロットスーツの体型を見れば明らかだった。
「よし、機体から20mくらい離れろ」
その言葉にも素直に従い、2人のパイロットは機体から離れていく。
それを確認し、俺はニーズヘッグをザクに近づけ……コックピットから降りて――正確には飛んで――2機のザクに近づいていく。
俺が空を飛んだのを見た2人のパイロットは驚いているようだったが……まぁ、普通なら人間がそのまま空を飛べば驚くよな。
けど、俺が調べたところでは、この世界にはパーソナルジェットのような、個人で空を飛ぶ為のバックパック――という表現が正しいのかどうかは分からないが――もある。
それを思えば、機械もなしで普通に俺が空を飛ぶのはそんなに珍しいものではない、と思う。
そんな風に思いつつ、俺は空を飛びながらザクに触れ……空間倉庫の中に収納する。
いきなり目の前からザクが消えた事に驚いた様子を見せていたパイロット2人だ
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