白と緑の精鋭部隊
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風先輩が訝しげに呟いた。明らかにおかしい。
「これは一体…」
謎が解けぬまま、試合前挨拶が始まった。
讃州中学の剣道部顧問と、相手校の顧問が握手を交わす。
「気をつけ!礼!前!」
相手チームの大将が、面をつけたまま、はっきりとよく通る、少し低い声で号令し、試合場の中心付近まで歩き、四人揃って整列した。
(四人だけ…?)
恐らく、ただ人数が足りていなかっただけだろうが…それだけなのだろうか…いや、考えすぎだろう。
「き、気をつけ!礼!前!」
夏凛ちゃんが少し動揺していた。一体どうしたのだろう…。
私たち勇者部も、礼をし、中心付近で相手チームと相見えた。
「双方に、礼」
主審の合図で、両チームが礼と挨拶をする。
「「お願いします!」」
剣道の試合では、試合前にこうして形式的に、お互いに敬意を払い、改めて試合の申し入れをするのだ。ここで初めて、お互いが間近で対面する。
一番左の面をつけた次鋒の子が、去り際に少しこちらに手を振っていた。
試合の近い先鋒、次鋒は、儀礼の時点で面をつけていることが多い。先鋒は必ず。次鋒は、試合に間に合えば良いので付けない人もいる。
友奈ちゃんだけ、その面をつけていた次鋒の子に応えて手を振った。
「友奈ちゃん、知り合い?」
「多分、あの子加賀城雀ちゃんって子だよ!だいぶ前に勇者部に来た…」
「え、そうなの!?」
かなり前に、愛媛の中学校から「勇者部」の噂を聞いてやって来たという女の子だ。
でも、一体どうしてこんなところに…?
考えに耽っていると、そのっちの声が耳に届いた。
「にぼっしー、どうしたの?煮干し食べ過ぎてお腹壊しちゃった?」
「ち、ちがうちがう!ちょっと気になることが…いや、まさか…」
夏凛ちゃんの様子もちょっと変だ。
これは、ただの剣道の試合じゃない!
私は安芸先生のもとに向かった。
「先生…これは一体どういうことなんですか?」
「あ、鷲尾さ…いや、今は東郷さん…だったわね。実は、讃州中の相手校も、病欠で出場できる選手がいなかったのです。キャンセルを申し込もうと思っていたそうですが、「防人」の子供たちを、大赦の意向で訓練がてら代わりに参加させることにしました。それから、讃州中から勇者部が代わりに出ると連絡を受け取り…今に至ります」
「防…人…?」
防人が何かは、夏凛ちゃんから大体のことは聞いていた。しかし、天の神を退けた今、尚防人に訓練を施すのは何故なのだろうか。
黙り込む私を尻目に、安芸先生は静かな口調でこう言った。
「東郷さん、彼女らは手強いですよ。特にあの子…勇者と戦える日を待ち望んでいたそうですからね」
先生の視線の先には、真っ先に武装していた黒髪の少女がいた。
彼女は一心不乱に素振りを繰り返し、急に中断したと思うと、同じく素振
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