帰ってきた魔王様
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し、ビシッ!という音が聞こえてきそうだ。
「うむ、友奈、東郷、今日もお疲れ様ね」
「ふーみん先輩髪型変えたんですねー!オトナっぽくてかっこいい!」
風の髪型は、以前のロングツインテールから、柔らかそうなポニーテールになっていた。
「流石乃木ね。アタシの次に女子力があるかもしれないわ」
風は手を組んで、満足そうに頷いた。
「お姉ちゃん、学校終わったの?」
「まあね、高校も中学と終わる時間はあまり変わらないからね」
「はあ、はあ…ちょっと樹、こいつ、あまり忙しそうに見えないんだけど…」
抜け殻のようになっていた夏凛がやっと生き返り、会話に加わる。
「ああ、最近は色々あってね、色んな部活の手伝いをしてたわ。まあつってもすぐそこの高校だし、学校終わって速攻で帰れば、このくらいの時間には着くのよ」
西暦の時代では日本の四十七都道府県各地に高校があったらしいが、かつて人類の生存圏が四国のみだった神世紀では、ちょっと歩けばすぐに高校やら中学校やらがあるのだ。
「でも、友達と一緒に遊んだりとかしなくていいんですか?風先輩、きっと両性から引っ張りだこでしょうに」
東郷は不思議そうに首を傾げた。
「いやぁまあ誘われることがないわけじゃないけど…やっぱり、アタシは勇者部が一番なのよ」
これを聞いてみんなの顔がぱーっと晴れた。風先輩の気持ち、勇者部みんなの気持ち、それが重なったことが、嬉しかったのだ。
「もう…お姉ちゃんったら…」
「ちょっとちょっと、三日部活行かなかっただけでなんでこんな寂しそうな顔してんのよ…ははーん、さては、夏凛が私が居なくて落ち込んじゃったのねぇー?」
「ちょっ!そんなわけないじゃない!」
「おーよしよし、夏凛ちゃんさみしかったねー」
「なっ!なんなのよー!!!」
「やっぱり、夏凛ちゃんはふーみん先輩がいた方が嬉しそうだね〜、…ピッカーン!新しいネタを思いついたよ!早速執筆しないと!」
「ちょ、それはやめてええええ!」
(やっぱり、勇者部はこうでないと!)
友奈がいて、東郷がいて、風がいて、樹がいて、夏凛がいて、園子様がいて、みんなニコニコ笑ってる。それが、讃州中学勇者部。
(私、結城友奈は、勇者部が大好きです!)
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