第58話 とある夜の有栖家
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ちゃんとした映画館に連れていってあげよう。
「みんな、始まるよ!!」
ライの一声により、テレビの前にみんなそれぞれ集まった。
汚染都市、前世であったバイオハザードを日本版にしたホラー映画。
『もう終わりだ…………こんな世界に希望なんか…………』
金髪のいかにも最初に死ぬだろう青年がセリフを言っている。
そろそろかな…………
そう思ってると物陰からいきなり現れたゾンビに襲われ、食われた。
「「ひぃ!?」」
ゾンビに食われた時と同時に大きな音が響く。
それに大きく反応する俺の両隣の人物。
………………星とキャロである。
二人とも俺の腕にしがみついていて、用意した飲み物が飲めないんだけど…………
俺はソファーに座ってたのだが、その両端に星とキャロが座ってきた。
二人用のソファーなので少々狭いのだが…………
向かい側のソファーにはライと夜美が座っている。
睨まれていたっぽいけどあえて気にしないことにした。
ちなみにフェリアはいつも食事しているテーブルにあるイスに座っている。
「う、動かないで!!お願いだから………」
「お兄ちゃん、私から離れないで………」
もうビビりまくり。
星はともかく、キャロにはやっぱり早かったようだ。
学校のO談辺りが子供向けのホラーだったかな。
星はそれでも駄目だったけど…………
「いや、ちょっとトイレに行きたいんだけど………」
「「なら、私達もトイレに行きます!!」」
マジで勘弁してください…………
結局俺は我慢することにした。
ちょうどCMに入ったので、それぞれ今のところの感想を話し合っていた。
「結構迫力あるね!!」
「そうだな、だがいきなりゾンビが出てくる所を大きな音で驚かそうとする傾向にあるな…………」
夜美の評価は辛口だな。
「フェリアはどう?」
「ドクターが似たような薬品を作りそうになった事を思い出した。これでどこかで使用されていれば、その世界は死んだも同然だったな」
スカさん…………
流石に細菌兵器を作っちゃ駄目だろ。
「レイは?」
「トイレ行ってきていいか?」
そう言うと隣の二人がブンブン首を振る。
頼むから行かせてくれ………
「やはり二人には刺激が強すぎたか………」
「そうだね、二人共怖がりだし………」
怖がりの所を強調するなよ。
「べ、別に怖がりって訳じゃ無いです!!」
「私はお兄ちゃんがいないと………」
キャロは素直だな…………
「分かった、直ぐに戻ってくるから………」
俺はそう言って、トイレに駆け込んだ。
だって結構限界だったんだもん
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