第二章
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「まさか」
「はい、ケーキもです」
「白雪が作ったのか」
「そうです」
「そうか、ケーキも作られるのか」
他の料理だけでなくというのだった。
「凄いな」
「お料理は得意なので」
「それでもだ」
得意と言う限界を超えているというのだ。
「これは凄い、そしてだ」
「そして、ですか」
「林檎なのだな」
「はい、これが一番のお礼です」
「林檎がお礼か」
「林檎はとても身体にいいので」
だからだというのだ。
「それで選びました」
「そうなのか」
「私の好きなものでもありますし」
このことも言う白雪だった。
「どうお料理したら美味しくなることも知っていますし」
「お礼にか」
「お料理に使うことにしました」
お礼のそれにというのだ。
「この度は」
「そうだったのか」
「はい、それでは」
「このケーキもだな」
「お召し上がり下さい」
「わかった」
微笑んでだ、理事長は娘に応えた。そしてだった。
妻と二人で白雪が作った林檎のケーキを食べた、そのうえで二人で娘に笑顔で述べた。
「素晴らしい味だ」
「こんな美味しいケーキはじめてよ」
「素敵な甘さだ」
「食感もいいわ」
「ただ、な」
「そうよね」
二人の間でも話した、この時は少し苦笑いだった。
「これだけ美味しいとな」
「お礼どころじゃないわ」
「逆に私達が恩を受ける」
「そうなってしまうわ」
そうなってしまうというのだ。
「これはな」
「そうなってしまうわね」
「では今度はな」
「私達がお礼をしないといけないわね」
「あの、それは」
両親のその会話を聞いてだ、白雪は恐縮した顔になって応えた。
「お礼をしてもらうことは」
「いやいや、これだけ美味しいケーキをご馳走させてもらったんだ」
「それは当然のことよ」
両親はその白雪に優しい笑みで応えた。
「お礼は確かに受けたわ」
「しかしそれ以上のものも受けた」
「この林檎のケーキは素晴らしいわ」
「そこまでのものだからな」
「だから今度は私達にお礼をさせて」
「そうさせて欲しい」
是非にという言葉だった、そして実際にだった。
後日二人は白雪にブローチを贈った、それは赤い林檎のものだった。理事長は白雪にそのブローチを贈って笑顔でこう言った。
「林檎のお礼は林檎でと思ってな」
「それで、ですか」
「そうだ、受け取って欲しい」
「はい、是非です」
白雪は理事長に眩しいまでの笑顔で応えた。
「胸に飾らせて頂きます」
「それではな、これからもな」
「はい、共にですね」
「家族として暮らしていこう」
理事長はその白雪に笑顔で言った、そして彼女が何時かいい人王子の様に素敵な人と出会えて幸せな結婚を迎えることも願った。もうその顔は
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