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汝(なれ)の名は。(君の名は。)
07牛痘、天然痘
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なコロニー。
 円形、もし期は馬蹄形に作られた痘瘡、瘡蓋(かさぶた)
 そこから膿を抽出して、未感染の者の腕に、清潔なナイフなどで作った傷口に膿を塗り込む。
 こうして牛痘に積極感染させて、弱感染症で免疫力を高め、一度遭遇した病原菌や似た構造をした菌には抵抗力が高まり、接種を受けた大半の人物は天然痘に羅病しない。
 破傷風菌やポリオウィルスなども、少量感染させ、それを繰り返すと致死量の感染をしても、破傷風で死亡しなくなる。
 各種細菌には免疫療法が有効な場合がある。
「黙って受けろ、早く並べ」
 連れて来られた者も、嫌々ながら神の命令なので種痘を受ける。牛痘と同時に破傷風菌などの接種も受ける。
 細菌の単独抽出は不可能だったが、土から取った菌床、あらゆる病原菌を保有しているコウモリなどの哺乳類を用意して、乱暴な手段だが血液を高温で壊して破損させた病原菌の残骸を人体に記憶させておく。

 老人と赤ん坊は、軽い感染症の時点で発熱に耐えられず死ぬかもしれないが、全滅はしない。
 これからの戦いを考え、食い扶持を減らすためにも敢えて年寄りは死なせる。
 頭が固い長老達も、イチヨウ婆様も例外ではない、老害の一人でもある。
 天然痘の現物や患者を撒いた時にも、感受性の強い者は高熱になり、脳のタンパク質が分解する温度を超えると死ぬ。
 牛痘を異物として戦った後のアレルギー症状で、アナフィラキシーショックを起こすほど免疫の感度が高い者も死ぬ。
 感染爆発(パンデミック)すると、出雲側を離れて裏切った都市、集落も全て日本中で死滅させられる。

 これはアメリカ大陸に上陸したヨーロッパ人が、ネイティブアメリカンを清掃(クリアランス)するために使用した、民族浄化(エスニッククリアランス)と同じ手法である。
 感染者の膿が付いた毛布を贈り物として送り、頭の皮を剥がれると言いふらし、はぐれ者が作った開拓地を襲撃されれば、ナイフしか持っていない敵に、騎兵隊や民兵がライフル銃で数倍の報復をして民族浄化を続け、オーストラリアのアボリジニ狩りのように人間狩りを楽しみ、スポーツの一つとして得点を競い合った。
 居留地(ゲットー)を作って追いやり、映画「ダンスウィズウルフズ」の終わりでも、一時的な勝利と逃走しか描けず、幸せな嘘の未来を作ることすらできない、完全な抹殺が終了した。
 そんな後味が悪すぎる状態を改善して、移民が大量にやってきた場所で、少数民族が生き残る架空の話をでっち上げた映画が「アバター」である。

 もしネイティブアメリカンが声を上げようにも、人口比率的にも1.7%、民族浄化が完全に終わっている。
 何故アメリカ大陸にアフリカの黒人を奴隷として連れて行かなければならなかったかと言うと、ネイティブアメリカンは、南北アメリカで白人の持ち
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