機動戦士ガンダム
2148話
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だろう。
新型機のザクは、明らかにS型と比べても動きは素早かった。
……とはいえ、難点がない訳でもない。色々と通常のザクと違う点はあるが、それでも大幅に違うというところまではいかない。
そしてシャドウミラーの機体と違い、UC世界のMSは推進剤が必須となる。
つまり、機体構造そのものがそこまで変わっていない状況で高い機動力を有するということは、それだけ推進剤の消耗も短く、継戦能力に疑問符がつくということになる。
もっとも、グラナダのすぐ側での戦いという事だから、その辺はそこまで心配する必要はないのかもしれないが。
「まずは、小手調べといこうか」
呟き、腹部の拡散ビーム砲を発射する。
放射状に拡散していくビーム砲。
……普通であれば、拡散ビーム砲というのは拡散しているだけあって威力は普通のビームと比べても格段に落ちてしまう。
だが、それはあくまでも普通の機体の話であり……このニーズヘッグは違う。
拡散された状態であっても、ブラックホールエンジンから供給されるエネルギーにより、通常のビームライフルよりも威力は上だ。
もっともこのグラナダ攻略作戦では、出来るだけ相手を殺さないようにするという事になっている以上、こちらとしても拡散ビーム砲の威力をT-LINKシステムによって下げざるを得ないのだが。
真っ直ぐに放たれたビームの数々は、ニムバスの操るザクに殺到する。
それでも最初の数発は回避し、1発などはヒートサーベルを盾代わりに使って防いだというのは、賞賛に値する。
とはいえ、結局1発防いだところで他にもまだ拡散されて大量に放たれたビームを防ぐことは出来ず、ニムバスのザクは次から次にビームを被弾し、右手、左手、右足、左足、更には頭部まで破壊され、結局ニーズヘッグとの距離を半分も詰める事は出来なかった。
エース級と思われるニムバスがそんな状況である以上、当然のように他の者達も同様で……威力を落とした拡散ビーム砲数発で、気がつけばMS部隊は全滅してしまう。
勿論全滅とはいっても、実際に命を落とした者はいない筈だった。
その辺はかなり気を遣って攻撃したし。
ぶっちゃけ、普通に撃破するだけであれば、ここまで苦労するような事もなかっただろう。
にしても、ああまでして姿を現したニムバスだったが、こんな結果になるとはな。
機体の性能差というのは、もの凄いものがあると、如実に証明してくれた形だ。
「諸行無常……いや、ちょっと違うか?」
そんな風に呟きながらも、取りあえずここはグラナダのすぐ近くなのだから、何かあってもすぐに死ぬ事はないだろう。
……月面での戦いにも関わらず、パイロットスーツを着ていないような奴がいれば不味いかもしれないが、そんな無謀な奴の責任までは持てない。
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