06.そうだ、刑務所に逝こう。
第12回
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ん、一応報告しますと、敵は全滅しました! 死者はゼロです!」
「帰ってお姉ちゃんとアイス食べる約束したの! 琴葉、早くして」
「琴葉さん。貴女は此れから任務があるのだろう? 早くしろ」
廊下から七つの声。
「あ、もう終わったの。流石私の優秀な部下達」
あ、此処か! と声が聞こえたと思ったら、いきなりドアが開き、奥から白髪の青年が琴葉さんの羽織っているコートを掴む。
「琴葉さん、昨日包帯グルグル巻きで帰ってきて、凄くびっくりしたんですからね!? 今日は絶対怪我しちゃ駄目ですよ!!」
「あーはいはいー分かりましたよーレンくーん」
「絶対分かってませんね!?」
あれ、レン? レンは黒髪の、ウチの囚人だよね? こんなに可愛くないよね??
白髪のレンは、頬をぷくっと膨らませて、琴葉さんに詰め寄っている。どうしよう、交換したい…………
「おーい、聖月−。どーしたんだー? 脱獄しようと思って外に出たら、ムショ内がぐっちゃぐちゃなんだけどー」
「あ、コラ!! 勝手に出ないでよ、レン!!」
と思っていたら、ウチの黒髪のレンが来る。
「「え」」
そして、琴葉さんと白髪のレンが揃って声を漏らす。
「ちょと待てちょと待て、如月くーん? 君は人間のー、如月レン君ー、だよね??」
「は、はい。そうですけど」
「ちょと待てちょと待て、囚人くーん? 君は吸血鬼の−、レン君ー、だよねぇ??」
「そうだけど?」
琴葉さんが妙なテンポで話す。
「ってことは、構成員のレンと、囚人のレンは完全に別人ってことね。まぁ、同じ様なモノが色んな空間に在っても不思議じゃないよね」琴葉さんは手を顎に当てる。二人のレンは、お互いの顔を不思議そうに見詰め合っている。「黒赤のレンの方は吸血鬼で、囚人。白黒のレンの方は人間で、構成員。まぁ、種族は違うけど、どっちも大きな組織みたいなモノの下っ端って事ね!!」
「「如何為てそうなるんですか/だ!!」」
「レンはどの世界へ行っても下っ端なんだねーやばい、出世するとき来るのか……?」
「「来ます/来る!!」」
「下っ端から昇格すること、あるのかな………?」
「「あります/ある!!!」」
「下っ端とか、直ぐ死にそうじゃない…………?」
「「死なないです/死なない!!!!」」
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