第三章
[8]前話
「捕まるでしょ、それかね」
「それか?」
「それかっていうと」
「いい魔女や魔法使いにやっつけられるわよ」
逮捕されなくてもというのだ。
「悪い奴はそうなるのが決まりじゃない」
「それはね」
「言われてみればそうね」
「世に悪が栄えた試しなし」
「悪い奴って絶対にそうなるわね」
「そうでしょ、どんなお話でも悪い魔女とかはやっつけられてるわ」
このことをだ、ハルトは強調して言った。
「だからね」
「あんたいい魔女になりたいのね」
「世の為人の為に魔法を使う」
「そんな魔女になりたいのね」
「後はね」
ハルトはさらに話した。
「もっともっと勉強して」
「世界中の魔法を」
「そうしてなの」
「世界一、人類史上最高の魔女になるわ」
このことも心掛けているというのだ。
「絶対にね」
「そうなればいいわね」
「本当に魔法があれば」
「それで世の為人の為になれば」
「本当にいいわね」
「ええ、だから今も勉強して心はしっかり持つわ」
ハルトは友人達に笑顔で約束した。
「そじゃないと魔女じゃないから」
「頑張ってね」
「その気持ちは応援するから」
「本当に魔女になれるかどうかはともかく」
「やる気と心構えはね」
友人達は魔法は信じていなかった、だがハルトのその心は信じた。それで彼女に暖かい声で応えた。
ハルトは彼女達のその言葉を励みとして心を定めたうえで魔法を学び続けた、やがて魔法の実在が証明された時彼女は日本を代表する魔女それも正しい心を持つそれとして知られる様になった。全ては彼女がまだ学生だった頃からはじまっていた。魔法の存在が信じられていなかった中で学んで心を確かにしていた頃に。
魔法を学んで 完
2018・8・26
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