第二章
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「蟲毒とかあるけれど」
「あの生きものを殺し合わせて最後に残った一匹を呪いに使う?」
「何かそんな術よね」
「とんでもない術よね」
「ああした術は絶対によ」
それこそというのだ。
「使ったら駄目よね、防ぐ為に勉強はしてるけれど」
「呪いとかそういうのは嫌いなの」
「そうなの」
「魔法は何の為にあるか」
ハルトはそこから話した。
「世の為人の為じゃない」
「世の中や人を幸せにする」
「その為のものなの」
「だからね」
それ故にというのだ。
「そんなね」
「呪ったりとか」
「そうしたことにはなの」
「魔法は使ったら駄目よ」
またこう言うのだった。
「呪いだけじゃなくて生贄とか悪いことをする様な」
「そうしたことにはなの」
「使ったら駄目っていうのね」
「ほら、傘もね」
友人に貰って今も大切に使っているそれの話もした。
「さすと雨を防いでくれるでしょ」
「雨の日は傘よね」
「もうこれがないと駄目よね」
「やっぱりね」
「そうでしょ、けれど人を叩いたり突いたりにも使えるでしょ」
傘はというのだ。
「そうしたら危ないでしょ」
「特に突いたらね」
「傘も結構威力あるのよね」
「目なんかに入ったら」
それこそとだ、クラスメイト達も納得して頷いた。
「凶器よね」
「もう立派な」
「そうでしょ、傘だってそうで魔法もよ」
こちらもというのだ。
「悪いことに使ったら駄目よ」
「じゃあハルトはいい魔女になるつもりなの」
「そうなりたいのね」
「当たり前よ、童話の悪い魔女なんか」
あの三角帽子に身体全体を覆う黒い服に曲がった長い鼻を持つ老婆をイメージしてだ、ハルトは話した。
「絶対にならないから」
「もうそれこそ」
「何があったもなのね」
「なるつもりはないのね」
「そうよ、若しそうなったら」
その悪い魔女にだ。
「もう捕まるじゃない」
「魔女も捕まるの?」
「そうなるの?」
「そりゃ法律違反をしたらね」
つまり犯罪行為をというのだ。
「捕まるでしょ」
「人を殺したりしたら」
「その時はなの」
「そう、もうね」
それこそというのだ。
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