第一章
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スポーツ推薦の為には
柴田宙丸はスポーツつまり体育以外の科目は殆ど駄目だ、その為試験ではいつもだ。
「御前またか?」
「また赤点か?」
「そうなのか?」
「そうだよ、二十点台だよ」
そうだったとだ、宙丸は友人達に答えた。
「この教科もな」
「これで今回の期末何科目赤点だよ」
「三科目位赤点じゃないのか?」
「追試大変だぞ」
「下手したら留年するぞ」
「いや、追試は全部何とかクリアーしてるしな」
留年の心配はとだ、宙丸は友人達に答えた。
「出席は無遅刻無欠席だしな」
「それで留年はないか」
「その成績でも」
「そうなんだな」
「そうだよ、けれどこれだとな」
自分でもわかっていて言うことだった、宙丸は友人達に首を傾げさせつつこうも言うのだった。
「進学どうしようか」
「いや、普通の入試じゃ駄目だろ」
「こんなのだとどの大学も合格しないだろ」
「この前の模試で相当低い大学Eだったんだろ?」
「一番レベルが低い様な大学」
「そうだったよ、これじゃあ本当にな」
また自分から言う宙丸だった。
「進学どうなるだろうな」
「それ先生と相談しろよ」
「御前スポーツあるけれどな」
「それでもこの成績だとな」
「絶対にどうするってなるぞ」
「そうだろうな」
それは間違いないとだ、宙丸もわかっていた。それで本当に進路のことはどうしたものかと考えていた。
そんな中で担任の先生にも難しい顔で職員室に呼び出されてこう言われた。
「御前大学進学はな」
「受験ではですか」
「正直無理だぞ」
はっきりと言われた。
「本当にな」
「そうですよね」
宙丸もわかっているという返事だった。
「俺の成績だと」
「殆ど追試だからな」
「はい、これで大学に進みたいなら」
「スポーツだ」
それだというのだ。
「スポーツ推薦だ」
「それしかないですね」
「それで大学行くか?」
先生は宙丸に真剣な顔で問うた。
「大学行きたいよな」
「はい、やっぱり」
「御前が一番得意なマラソンだとな」
「この前大会で優勝しました」
「これまで結構優勝してるな、だったらな」
「マラソンで、ですか」
「大学に行ける、もうこれならな」
マラソンでというのだ。
「結構な大学にも行ける、もう決まりだな」
「マラソンでのスポーツ推薦ですか」
「これで大学に行け、ただな」
「ただ?」
「怪我はするなよ」
先生は宙丸に強い声で告げた。
「いいな」
「怪我はですか」
「ああ、するな」
絶対にというのだ。
「大学に入ってもな」
「怪我には気をつけていますけれど」
「今以上にだ」
それこそとだ、先生は宙丸に強い声で言った。
「注意しろ、さもないとな
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