第三章
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「この事務所は」
「そうなんだな」
「それでその声優事務所が、ですか」
アベルはスーツの男にどうかという顔で応えた、四人共この日のライブが終わり楽屋に来たその男と向かい合っている。
「俺達に何の用ですか?」
「あの、俺達バンドですから」
ケインは男にこのことを告げた。
「声優は」
「はい、皆さんにスカウトしに来ましたが」
それでもというのだ。
「声優としてではありません」
「声優事務所でもですか」
「違います」
そうだというのだ。
「また別のことで、です」
「スカウトに来てくれたんですか」
「アニメソング興味ありますか?」
男は四人全員に問うた。
「歌について」
「アニメソングですか」
「はい、そのジャンルに」
「ええと、ひょっとして」
アダムが男に四人を代表して尋ねた。
「俺達にですか」
「はい、我が社と契約して頂いて」
そしてというのだ。
「アニメの主題歌を中心に活動してくれませんか」
「アニメの、ですか」
「そうです」
その通りという返事だった。
「東京に進出されて」
「そうですか」
「勿論これまで通りライブ活動をして頂いてもいいです」
男は四人にこのことも話した。アダムだけでなく四人全員にだ。
「CDも出ますし」
「アニメの主題歌としてですか」
「当然名前も出ます」
こちらのことも大丈夫だというのだ。
「あとゲームの主題歌も考えています」
「そちらもですか」
「活動をバックアップさせて頂きます」
このことは保証するというのだ。
「ですからどうでしょうか」
「そちらの事務所と契約してですか」
「そのうえで」
「東京に出てですね」
「アニメ、それにゲームを中心に」
「活動をですか」
「して頂けますか」
「どうする?」
アダムは男との話が一段落したところでだ、仲間達に顔を向けて尋ねた。
「これは」
「メジャーデビュー出来るんだよな」
「東京に出て」
「そうみたいだね」
三人はこうアダムに返した。
「絶対に」
「アニメの主題歌でデビューか」
「ゲームの仕事もあるのか」
「勿論ヴォーカルも入れて」
それでとだ、男は言ってきた。
「アニメやゲームの挿入歌も考えています。作詞作曲も出来ますね」
「はい、そっちも出来ます」
「作詞も作曲もしてます」
「演奏だけじゃなくて」
「それも出来ます」
四人共そうだと答えた。
「四人で作詞作曲してるんです」
「四人であれこれ話して」
「一曲ずつ作ってます」
「そうしています」
「だから作詞作曲はグループ名義ですね」
男もこう言った。
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