479部分:第三十七話 星座その九
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第三十七話 星座その九
「それと貝のお吸い物です」
「豪勢だな、それはまた」
「最後には苺もありますから」
「何か凄いな、そこまであると」
「うちの母和食も得意ですから」
こうだ。陽太郎に話すのだった。
「楽しみにしておいて下さいね」
「そうさせてもらうよ。そうか、お刺身かあ」
「お好きですか?」
「うん、大好きだよ」
満面の笑顔で月美に述べた。
「それと白い御飯なんてね」
「勿論白い御飯もありますから」
「最高だよ。そこまでいったら」
「では晩御飯を召し上がられてから」
「それから帰れば」
「駅まで送らせてもらいますから」
それも言う星華だった。
「では。それで」
「うん、それじゃあ」
こうやり取りをする二人であった。二人は幸せの中でその絆を深めていっていた。そしてだ。月美は陽太郎に微笑みを向けて言ってきた。
「それでですね」
「それで?」
「晩御飯の時に父と母がですね」
「親父さんとお袋さんが?」
「はい、陽太郎君にお話があるそうです」
こう陽太郎に話すのだった。
「それも楽しみにしておいて下さいね」
「二人でって。一体何かな」
「私も詳しい内容はわからないですけれど」
これは本当のことだ。しかしなのだ。
「悪いお話じゃないのは」
「それは間違いないんだ」
「父も母もそう言っています」
両親の言葉をだ。頭の中で反芻しながら述べるのだった。
「ですから」
「一体何だろうな」
「そうですね。何でしょうね」
月美も首を傾げさせる。
「悪いお話じゃないのは間違いないそうですけれど」
「それでもだよな」
「気になるよな」
「ええ、本当に」
それでもだった。二人はこのことは察していた。
「悪い話じゃないんなら」
「安心していいですよね」
「だよな。それにしても晩御飯はお刺身か」
「はい、凄く新鮮なお刺身ですから」
月美もだ。刺身について笑顔で話す。
「美味しいですよ」
「だよなあ。今から」
「楽しみですね」
「とてもな」
こんな話をする二人だった。二人は楽しい時間を過ごしていた。しかしそれはだ。二人が勝ち取った幸せに他ならなかった。
だがそれについてはだ。二人はこう言うのであった。
「それもこれおな」
「そうですよね」
月美は陽太郎の今の言葉にも笑顔で返す。
「椎名のお陰だよな」
「狭山さんや津島さんもいてくれて」
「赤瀬もな」
「皆さんがいてくれたからこそ」
「こうしていられるんだよな」
「そうですよね」
こう思っているのだった。
「皆さんがおられてこそですね」
「俺達がこうなれたのって」
「それならですね」
「ああ、それならな」
「皆さんに感謝して」
月美からの言葉である。
「今も」
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