第六十七話 宗教都市その十二
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「全員男の方だし」
「今だってそうだよな」
「枢機卿の人達だってね」
「そういえば全員男の人だな」
「そうでしょ、女性の社会進出が言われていても」
「信仰の壁は厚いか」
「そうかも知れないわね。まあ女の人で一番偉い人だっていう宗教はね」
「実際少ないよな」
「教祖の人が女性とかって天理教位でしょ」
日本のこの宗教だけではとだ、清音は久志に話した。
「あの宗教は教祖の人女の人で女の人の教会長さん普通よ」
「あの宗教位か」
「他の宗教はどうしてもね」
「男の方が強いか」
「そうみたいよ、それでキリスト教は」
その根幹に男尊女卑があると言われているこの宗教はというのだ。
「今でもね」
「俺達の世界じゃそうか」
「男の人が圧倒的に強いって言っていいでしょ」
「それでこっちの世界だとか」
「女の人の枢機卿の人がいて」
「法皇様にもなれるか」
「これ大きいわよ」
そう言っていいことだというのだ。
「同じキリスト教でもね」
「俺達の世界のキリスト教とこっちの世界のキリスト教は違うんだな」
「かなりね。牧師さんだけじゃなくて神父さんも普通に結婚してるし」
「あれも出来ないよな」
「カトリックだとね」
聖職者は妻帯はならないとされている、ただしこれは日本の仏教の浄土真宗以外の宗派もそうだが実は、ということはあることだった。浄土真宗は最初から僧侶の妻帯を許しているのでこうしたこととは関係がないのだ。
「私達の世界だとね」
「そこも違うか」
「随分違うわよ」
「女性の高位聖職者がいることはか」
「本当にね」
女性としてだ、清音は久志に話した。
「やっぱりあれよね」
「女の人でもか」
「能力があればね。身体の違いはあっても」
それでもというのだ。
「然るべき仕事をしないと」
「その能力に相応しい、か」
「そりゃ政治家だと変な人多いけれど」
とかく野党側に多い、けたたましく他人のことをあげつらうだけで自分のことは全く駄目という輩がだ。
「けれどね」
「有能だとか」
「しっかり出来るポジションにいないとね」
「それはあるよな」
「ええ、それでその十人目の娘も」
「有能だからか」
「枢機卿にまでなってるとしたら」
王侯の地位に等しいとされるこの座にだ。
「凄い娘よ」
「聖職者としての能力はかなりか」
「そう思うわ」
「そうだな。俺もそう思う」
正は清音のその言葉に頷いて応えた。
「やはりな」
「能力があればね」
「それに相応しい活躍をしないとな」
「世の中よくならないわね」
「ああ、ただ政治家でよくいる馬鹿女はな」
正はそう言うべき連中には顔にも否定の色を浮かべて言った。
「もうな」
「いらない?」
「何処にもな」
政治家どころかとい
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