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レーヴァティン
第六十七話 宗教都市その八

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 一行はローマの中に入った、その街は商人の多さからも予想出来た通り西の島のどの街よりも賑わっていた。
 それでだ、久志はその賑わいの中で言った。
「やっぱりな」
「この街がですね」
「ああ、一番いいかもな」
 こう順一に応えた。
「中に入ってあらためて思ったぜ」
「では今から」
「拠点を移すこともか」
「されますか」
 今あるヨハネスブルグからというのだ。
「そうされますか」
「それも手か。とにかくな」
「旗揚げの場所は」
「ここが一番だろうな」 
 ローマの街中を見回しての言葉だった。
「何といってもな」
「護りは堅固で繁栄していて」
「この街ならな」
 まさにというのだ。
「島の統一に最適な街だろ」
「では」
「十二人揃ったらここに戻ってな」
「旗揚げですね」
「そうしような」
「ではまずはな」
 正がここで言うことはというと。
「何につけてもな」
「飯か」
「いや、まだ早いだろ」
 その時間にはというのだ。
「ちょっとな」
「じゃあどうするんだ」
「この街を見て回るべきだな」
 これが正の考えだった。
「飯まではな。そしてな」
「飯を食ってからもか」
「それからもな」
 食事のその後もというのだ。
「仲間を探しながらな」
「ローマの中を見て回るべきか」
「この街を拠点にするんだろ」
「そのつもりだよ」 
 実際にとだ、久志は正に答えた。
「この島じゃそうするのに最適だろ」
「だからか」
「ああ、ここはな」
 今はというのだ。
「見て回ろうな」
「ローマの中をか」
「出来るだけ細かくな」
「それで街のことを頭に入れておくんだな」
「ああ、商業のことも防御のことも考えてな」
「街のか」
「この街は相当な城壁だ」
 巨大な街をぐるりと囲んでいる、ただ高く堅いだけでなく囲んでいるその範囲も相当なものである。
「これだけでな」
「相当な護りだな」
「しかしその護りをな」
「より上手に守る為にか」
「細かいところまで頭に入れておくべきだ」
「隅から隅までか」
「よくな」
「例えばあれだね」
 淳二は足元を見た、そうして語った。
「下水道もだね」
「ああ、下水道だってな」
 正は実際にとだ、淳二にも応えて述べた。
「頭の中に入れておかないとな」
「そうだよね」
「実際下水道を使った戦いとかもあるしな」
「市街戦であるよね」
「この世界じゃモンスターは街にいることは滅多にないがな」
「下水道にいたりもだね」
「あったりするからな」
 この世界でもそうした話がある、古い街の下水道にはモンスター達がいてその奥が地下迷宮になっているとだ。
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