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エンジェルオブニート
第一章

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               エンジェルオブニート
 アルフェリアは天使である、だが人間の世界にいる今現在はあるOLの家にいてそうして就職はせず大抵同居人のアパートの中にいて暮らしている、所謂ニートである。
 そのニートである彼女にだ、同居人のOLはある日一緒に夕食を食べている時に尋ねた。
「あんた天使よね」
「はい」
 澄んだ奇麗な声でだ、アルフェリアは答えた。
「そうです」
「そうよね」
「それが何か」
「いや、あんたね」
 一緒に食事を摂りつつ言うのだった、メニューは白い御飯に秋刀魚の塩焼きにトマトの味噌汁、菊菜のひたしに梅干しと完全に和食だ。
「こうして御飯食べてるわね」
「その通りですが」
「何かね」
 アルフェリアにどうかという顔で言うのだった。
「天使らしくないのよね」
「そうでしょうか」
「だってあんたニートじゃない」
 今の彼女のことをはっきりと言った。
「働いていないでしょ」
「天界では天使の職業にです」
「今も就いているのよね」
「そこからお給料も得ていて」
 そしてというのだ。
「部屋代や食費も出させてもらっていますが」
「それはそうだけれど」
 OLもこのこともあって彼女を家に住ませているのだ、もっと言えば彼女の人柄と人間界で家がなくて困っていて見ていられなくて住ませているのだ。アパートの大家にも住人が増えたことは話して許可を得ている。
「けれどね」
「家にいてですか」
「働いていないから」
「それはそうですね、ですが」
「ですが?」
「何かあればです」
 秋刀魚で白い御飯を食べつつだ、アルフェリアはOLに答えた。
「私は天使として」
「この世界の人達を助けるのね」
「最近天界の神も軟化されまして」
「何気に上司批判してない?」
「他の宗教の神仏と眷族の方々とも協力していいとなりましたので」
「じゃあ日本の神様仏様とも」
「協力してです」
 そのうえでというのだ。
「日本の人達も助けていいとなりました」
「黙示録で出て来る破壊と殺戮の天使じゃないのね」
「神も天界も軟化されてしましたので」
 またこう言うアルフェリアだった。
「もうそうした天使は過去のことです」
「そうなのね」
「はい、そして」
 アルフェリアはさらに言った、今度は梅干しを食べている。その酸っぱさは今の彼女のお気に入りの一つだ。
「今は人命、国土や産業の資源をです」
「優先しているのね」
「破壊や殺戮なぞとても」
「しないのね」
「私もまた」
「そうなのね、じゃあ若し日本で災害が起こったら」
「その時はです」
 まさにというのだ。
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