16・パラレルワールド
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「一誠、パラレルワールドという言葉を知っているか?」
アザゼルは、一誠に講義をするかのように問いかけた。
「知ってますよ。あれでしょう、俺たちがいる世界の他にも、別の世界が存在するっていうSF小説や漫画で題材にされているあれでしょう?」
「ほぉ、お前でも知っていたか。ただのスケベじゃなくなったってことか」
アザゼルは、一誠が知っていたことに対して意外そうに言って笑った。
「馬鹿にしないで下さいよ、先生。これでも、俺は、チーム赤龍帝の王ですよ?」
一誠は、胸を張った。そんな一誠をリアスは、誇らしげに見て微笑んだ。
「まぁ、王になってからのお前は、成績もアップしているし、成長はしているな」
アザゼルも愛弟子の成長を喜んでいるようだった。
「だがな、一誠。パラレルワールドは、小説や漫画だけの世界ではない。理論物理学においても存在している可能性はあるといわれている」
「だが、アザゼル。パラレルワールドは、決して交わらない平行世界と言われている。我々の魔界や多次元世界とは、まったく別の物だろう」
アザゼルの説明にサーゼクスが、何かを感じたように言った。
「その通りだ、サーゼクス。が、優れたタイムトラベラーという能力者は、一旦、パラレルワードルに身を置き、自分の思う時間を定めてジャンプするときく」
「なるほど。パラレルワールドは、タイムトラベラーにとっては、退避エリアとして、利用できるということね」
アザゼルの説明を聞いてリアスは頷いた。
「その通りだ、リアス。決して交わることがない世界にも、そういう利点がある」
アザゼルもまた、頷いた。
「が、この世界には、そんなタイムトラベルの能力を持つ者はいない。たとえ、出来たとしても、リスクが大きすぎる」
「それは、どういう物なのですか?」
一誠は、ごくりと固唾を呑んでアザゼルに聞いた。
「お前も先の戦いで経験してるじゃないか。人が時間の狭間で長い間生きていられないことを。それをたとえ能力者だからと言って繰り返すことはできない」
アザゼルは、強い口調で一誠に答えた。
「では、何故、鳳凰という男が、この世界に現れたのか?」
ミカエルが、確信に迫った質問をした。
「おそらく、俺の考えだが、先のDD戦争で現れたグレート・レッドの影響があったんじゃないかと思っている」
グレート・レッドは、真の赤龍神帝と呼ばれ、時空に住み着いてはいたが、度重なる時空を干渉する事件が起こり、その巨大な力が別次元に影響を及ぼした、とアザゼルは、考えていた。
「じゃあ、もしかして、俺のせいですか?」
一誠は後頭部を掻きながら、アザゼルに聞いた。
「その通りだ、一誠。お前が悪い」
「や、やっぱし。。。。。」
一誠は、アザゼルの言葉に頭を垂れた。
「ははは。冗談だよ。お前だけの
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