インテグラル・ファクター編
運命の始まり
[4/6]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
りがとう。アヤト」
コハルは精一杯頑張って笑顔をつくってみせる。
「こんな時に人助けとは余裕だナ」
「!?誰だ」
現れたのはフードを被った女性プレイヤーのようだ。
「アルゴだヨよろしくナ。まーそう警戒するなっテ」
飄々とした態度で近づくアルゴ
「私達はどうすればいいのか……外から助けは来ないんでしょうか?」
「その可能性は低いナ。プレイヤーが脱出出来なくなって大分経っているが、きていないダロ?つまりそういうことダ」
「俺たちは前に進みたい。こんなところで燻るつもりは毛頭無い。どうすればいいのか教えてくれ」
ニシシとアルゴが指で円を作る。
「まずやるべきことは金を貯めるんダ。オマエ達は幸運だナ。今回はサービスで難易度低めで稼ぎのいいクエストと寝床を教えてやるヨ。ま、難易度低めのとはいえ油断は出来ないけどナ……」
「アヤト……」
コハルは俺の方を見る。俺に判断を任せるという事だろう。
「わかった。頼む」
翌日
「助けてくれぇぇえぇえ!!」
俺たちは《ダイアー・ウルフ》の討伐クエストをやっている。一匹一匹は弱い《ダイアー・ウルフ》だが、群れで行動しているため集まられると厄介だ。
「ギャッ……」
目の前の男性プレイヤーがやられてしまった。まずい!今の光景でコハルは怯えて動けなくなってしまってる!
ダイアー・ウルフはコハルに向かって飛びかかった。
「はっ!!」
俺はダイアー・ウルフの首を斬り落とし倒す。戦意喪失しているコハルの手を掴み、安全なところに避難する。
「さっきのプレイヤーさん達。本当に……し……死んじゃったのかな?」
「わからない。でもおそらくな……」
「血も出ないし怪我も無いのに……エフェクトで消えていくなんて……」
確かにあんなの普通の人間の死に方じゃない。これが『現実』だってわかってたのに俺は何も出来なかった……!
俺は拳を強く握る。
「アヤトは……平気なの?その……怖くないの?」
「……全て怖くないって言えば嘘になる。でも何よりこの世界に負けたくないって思ったんだ」
俺はコハルに手を伸ばす。
「強くなろうコハル。二人で最後まで生き抜く為に!」
「でも私……アヤトみたいに強くないよ。アヤトの足手まといになっちゃうよ……」
コハルは俯く。
「そんなことないよ。コハルは今よりずっと強くなる。それに……さ。俺がこの世界で信用できるのはコハルかなってさ」
「うん……!私、強くなってアヤトにも負けないぐらい強くなる!その時は覚悟してね!」
俺たちは……
私たち
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ