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勇者たちの歴史
西暦編
第七話 タイム・リミットB
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の総称。
 その内、四国に直接架けられた南備讃瀬戸大橋は、四国の結界に覆われているため直接転移することができない。士郎が降り立ったのは、その次に四国へ近い北備讃瀬戸大橋の上だ。
 そして大橋の周囲、海に突き立った四本の巨大な円柱。
 五百メートル四方を覆う結界は、内と外を完全に隔離していた。結界の抵抗を受けず干渉できるのは、結界を維持する大聖杯を用いるか、同化した四国の結界内部からに限られる。
 そして、その隔離された空間に――――――膨大な数のバーテックスが封じられていた。
 四国の周辺、特に瀬戸大橋周辺はバーテックスが多いと四国側から報告があったのは事実だ。だが、百程度という話で、これほどの数は作戦段階でも想定していない。
 士郎の顔に焦りが浮かんだ。
「――――――凍結、解除(フリーズ・アウト)
 突如変貌した状況に困惑しているのか、それとも現れた標的の出方を窺っているのか。
 その隙に、士郎が無数の刀剣を投影する。
 ランクも、刀身の長さも、和も洋も中も区別なく創り出された武具の数々が、漂う化け物たちに狙いを定めた。
「――――――全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!」
 串刺しにされた化け物の断末魔が、開戦の狼煙となった。
 次々と飛来する小型バーテックスを、紅い流星が射抜いて砕く。
 大聖杯とのリンクも今回限り。流入する魔力を余さず使い、士郎は確実に結界内の敵を減らしていく。既に半数のバーテックスが撃破されていたが、それでもなお視界の至る所に白い影が蠢いている。
「…………く、そ……ッ!」
 番えた矢は赤原猟犬(フルンティング)
 三射目となる魔弾が、融合しかけていたバーテックスを粉砕する。前の二射も未だ健在であり、込めた魔力が尽きるまで標的を貫き続けるはずだ。
 だがそれも、射手が生存し、意識を手放していなければの話だが。
「――――――、がッ、!?!」
 突然の衝撃に、士郎の体勢が大きく崩れる。
 いや、体勢だけではない。
 咄嗟に飛び退いた足元から、瓦礫をまき散らしながら進化型が飛び出した。橋の下に潜んで融合したのだろう、棒状の進化個体は上空に静止すると、再び士郎へと狙いを定める。
「ぐ……」
 士郎の意識が進化型に集中する。
 射手の意識が反映され、三条の紅い軌跡は上空で交差し、進化型を消滅させる。如何に強度を増した個体であろうと、防御に特化した進化でなければ魔弾は止められない。
 だが、それは失策だった。
 赤原猟犬(フルンティング)は遠く離れ、射手は万全には程遠い。包囲する間さえ惜しみ、我先にとバーテックスは無防備な獲物へと襲い掛かった。
「ッ、――――投影(トレース)、」
 投影は間に合わない。魔弾も、到達にはあと半秒遅い。
 そして、眼前に迫ったバー
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