猫娘と強化合宿編
NO.069 強化合宿の始まり
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張るものがあったためにいつも以上に不憫に思ったのか、
「おまえいい加減ダメだぞ、そろそろ……」
「エヘ、エヘ、エヘヘヘヘーーー……」
切島の憐みの言葉は脳内有頂天の峰田の耳には届かなかった……。
だから切島もさっさと説得を諦めてバスへと向かっていく。
バスの前では委員長である飯田がすでに誘導を開始していた。
さすがまとめることに定評のある飯田である。
程なくしてA組の乗るバスは林間合宿の場所へと向かって出発したのであった。
バスの中ではそれぞれに楽しむもの、騒ぐものと様々な様相を呈しているが、ふと出久は考え込んでいた。
そんな出久の表情を見て女子の数が半端で一緒の席に男女で座るしかなかった飯田は出久の顔を覗き込みながら、
「どうしたんだい、緑谷君? どこか浮かない顔をしているけど……」
「飯田君。うん、なんか今バスで向かっている方向がどこかデジャブがあって……」
「デジャブ……?」
「うん。なんか頭の端っこに引っかかるような……知っているような……」
そう言ってまた考え込む出久。
「聡明な緑谷君がすぐに思い出せないのならそこまで重要な事でもないのではないかね……?」
「そうなんだけど、やっぱりどこかもやもやがすっきりしないと気分が悪くて……」
「そういうものか。まぁ、その時になれば自ずと分かるものさ。今はこれからの事を話していこうとしようか。…………そう言えば、話は変わるが、メリッサ君とはあれから何か聞いているかい……? アドレスは交換したと聞いたが……」
メリッサというのは夏休みに入ってA組のみんながそれぞれ各自で行った『I・アイランド』にて知り合った無個性の女の子の事である。
その際に、出久達はちょっとした事件に遭遇したのだが、今はもう済んだことなので今はもう過去の話ではあるが、繋がりがなくなったわけではない。
「うん。デヴィット博士の傷は僕がすぐに治したから事なきを得たけど、同時に傷の回復を待つという時間を短縮できたから今はデヴィット博士周辺は裁判とか色々とごたごたしているらしいけど、それでもメリッサさんとのメールのやり取りだとそんなに暗い内容でもないみたいなんだ。情状酌量の余地は多少はあるらしくて……」
「そうか……いい結果になればいいものだな」
「うん」
そんな感じで出久は今は遠くにいる友達の事を思い馳せながらも時間とバスは着々と進んでいった。
…………そして一時間後。
休憩エリアに到着して止まるバス。
一同はわらわらと体を伸ばそうと外に出ていく。
だが、不思議な事にパーキングエリアはおろか、休憩所すらない崖の高台な場所。
気づけばB組のバスすらなかった。
だが、一人……峰田はそんなこともお構いなく尿意と一人戦っていたために必死にト
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