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エアツェルング・フォン・ザイン
そのさんじゅうなな
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動く。

「わふぅ……」

椛の少し目がトロンとしてきた。

「眠いの?」

「いや、違うと思いますよザインさん」

何が?

「あと、そろそろヤバイのでそこら辺でやめといてください」

「えー…もうちょっと…」

「ダメです」

文に腕を掴まれて止められた。

「わかったよ…まぁ、確かにこのまま椛が寝ちゃったら連れて帰るの文だもんな」

「もうそういう事でいいです…」

あ、そうだ。

「文」

「なんですか?」

「文の翼もふもふしていい?」

「……………………はぁ!?」

そんなに驚く事かな…?

「えと、だめ?」

「可愛く首を傾げないでください。
貴方240でしょ? 精神が幼くなってるんですか?」

ムカつくなー…こいつ…

「うんぼくおさないからあやおねーちゃんのつばささわりたいなー(棒)」

「うざい………。まぁ、私の負けですかね…
いいですよ。存分にもふってください」

文が翼を折り畳んだ状態で顕現させた。

どうやら変化で隠していたらしい。

「けっこう大きいな…。
翼長……3…いや3.5メートルって所か…
あ、いや…文自身の肩幅も加算すればほぼ4メートル…」

「あのー?ザインさん?」

「おぅ、すまんな。性分でね」

文の翼に触れる。

羽毛でフワッとした感触がした。

「なるほど…これが鳥系ワービーストの羽か…」

「天狗ですよ天狗」

「あやしゃまぁ…言ってもむられすよぉ…」

「ちょっ!?なんて顔してんですか椛!?」

「文、うるさい」

羽の一枚一枚もとても艶やかで美しい。

「すげぇ…もふもふだ…」

羽毛の生える方向に沿って撫でると、極上の毛布をさわっている気分だ。

もふもふもふもふ…

「ひぅっ!? なんでそんな的確に…!?」

「えへへ…。てん…文しゃまもきもちよさそーれす…」

「ちょっ!? 椛!?」

そんな風に文の翼をもふったり翼に抱きついたりしていると……



「御主人のうわきものー!!!」

ゴッという音と共に、意識が狩り取られた。

side out







時は少々さかのぼる。

騒がしい宴の一角。

そこでは霊夢、魔理沙、アリス、玉藻ともう一人…

「なんでアンタが居るのよ…魅魔」

「いいじゃない。弟子の様子を見に来たのよ」

「まぁ、暴れなければそれでいいわ」

悪霊であり、魔理沙の師である魅魔も宴会に参加していた。

「ところでアレは?」

魅魔が指差したのはザインだ。

「あれはザイン。一年くらい前に幻想入りした妖精よ」

「妖精?アレが?」
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