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エアツェルング・フォン・ザイン
そのさんじゅうなな
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「匂いを漏らさない魔法の瓶さ」

ルーミアは知ってるが他は知らないのだろう。

あ、ルーミアと言えば。

「ルーミア、お前が酔うのはまずいからこれ飲め」

「なに?」

「酔い止め」

「まぁ、いいわ」

瓶をあおり微妙な顔をするルーミアに手近な酒を渡す。

「………あま過ぎないこれ?」

渡した瓶のラベルにはオニキス・ミードと書いてあった。

「蜂蜜酒だし。つっても言うほど…あぁ、うん。甘いね」

メティとサンディが好んで呑んでいた酒だ。

ゲーム内アイテムなので『蜂蜜』のイメージ通り結構甘い。

ダイシーカフェで本物のミードを飲ませて貰ってたし、オニキス・ミードの味を忘れていた。

というか角屋州荘に引っ越してからはビールばっかりだったしな…。

え?未成年者飲酒禁止法? 刑事とか公安のエージェントが目ぇ瞑ってるんだからセーフセーフ。

「んじゃ、俺は適当にしてるから。
酒が尽きたら来ていいぞ」

さて、紅魔組の所に戻るか、それとも…

「ザインさーん!」

ん?

呼ばれた方を向くと射命丸が手を振っていたのでそちらへ行く。

「どうした射命丸?」

「文でいいですよ。今日はザインさんに部下を紹介しようかと」

「こんばんは。私は文さんの部下の犬走椛です」

文の隣には白い毛並みのケモミミっ娘。

なるほど、こいつが犬走椛か。

「ザインだ。姓はない。種族は妖精兼戦神だ。
寺子屋で講師をしている」

「ご丁寧にどうも」

「あーもう!堅苦しいですね!
ザインさんも椛ももっと気楽にいきましょうよ!」

つってもなぁ…

「んー…じゃまぁ、宜しくな椛」

握手をしようと手を出すと、椛が困ったように文へ視線を送る。

文は戸惑っている椛へため息をつきつつ言った。

「椛、ここは山じゃないの。
本当に無礼講なのよ。断るのは失礼よ」

「は、はい!」

妖怪の山って大変そうだな…

そして椛が手をだしたので…

握る振りをしてから頭を撫でる。

俺の体は子供だが、椛が座っていて俺が立っているなら問題ない。

「よーしよし!うりうりうりうり!
ここか?ここがええのんか?」

「あっ、ちょっ…やめてくださっ…やめっ!」

「お、おぉ…なんというもふもふ感…
これはこれでなかなか…」

わしゃわしゃと撫でるけど、髪がまったくひっかからない。

「も、椛が大人しく撫でられてるなんて…
私だったら手をはねのけられるというのに…」

つぎに耳をふにふにしてみる。

「ふみゅぅ〜」

「お、気持ち良さそう。もう少し触らせて」

ふにふに…ふにふに…

時折ピクって耳が
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