機動戦士ガンダム
番外編076話 065.5話
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普段であれば、決して上げるようなことはない声。
事実、ブリッジにいる者達の多くは、急にそんな声を上げた人物に視線を向けていた。
だが、そのような声が上がってもおかしくはない。何故なら、そこに映し出されていたのは……自らの妹だったからだ。
「シャア少佐? どうしましたか?」
副官のドレンの声でシャアはようやく我に返り、何でもないと言葉を返す。
この時程、自分がマスクをしていて良かったと思った事はないと、シャアは安堵する。
(アルテイシア……何故だ……)
自らの中にある動揺を何とか押し殺しながら、遠く離れた場所にいる妹の事を思うのだった。
様々な者がルナ・ジオンの建国宣言に揺れている中で、一番動揺を隠せなかったのは、当然のようにこれから攻めると宣言されたフォン・ブラウンを始めとした月面都市だろう。
元々グラナダがジオン軍の支配下にあるとはいえ、それ以外の月面都市はグラナダと友好的に付き合ってはいたものの、別にジオン軍の支配下という訳ではない。
それでも友好的な関係を築きたいキシリアによってMS部隊が駐屯してはいたのだが……その部隊もグラナダに撤退してしまった。
一応別の援軍が来るとは聞いていても、それを完全に信じる事は出来ない。
そして事実、グラナダからの援軍が来るよりも早く、ルナ・ジオンを出立した部隊がフォン・ブラウンに近づいていた。
「黒い三連星だとぉっ! それに、あの虫型の機体は何だ! くそっ! 軍艦っぽいのもあるぞ! こんなので、勝てる訳ないだろうが!」
叫ぶ管制官の言葉に、誰も答える事は出来ず……結局グラナダからの戦力は間に合う事もなく……フォン・ブラウンを始めとして、ほぼ全ての月面都市は無条件でルナ・ジオンに降伏する事を選択する。
尚、月面に幾つかあるジオン軍の基地ではそれなりに激しい戦いが繰り広げられたのだが、結局はルナ・ジオンの部隊に被害らしい被害も与える事がないまま、グラナダ以外の全ての月面はルナ・ジオンの支配下に落ちるのだった。
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