機動戦士ガンダム
番外編076話 065.5話
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力を誇る武器を持ち、提出された書類に書かれているように1度発射した後は次に発射するまで1週間の冷却が必要といった大きな欠点もなく、連射すら可能な代物があるとは、想像も出来なかっただろうが。
ともあれ、ギレンはルナ・ジオンとシャドウミラーという勢力をどう利用するべきかを考えつつ、書類を整理するのだった。
ひとまず様子見といった行動を取ることが出来たギレンとは違い、その政敵たるキシリア・ザビはそう悠長に構えているような余裕はなかった。
何故なら、ルナ・ジオンと名乗る者達が拠点としているのは、キシリアの本拠地とも呼ぶべき月なのだ。
おまけに、その月にあるグラナダ以外の月面都市をこれから攻撃し、明日にはこのグラナダを攻撃すると言われてしまえば、即座にそれに対処する方法が必要だった。
「偵察隊を戻す! また、向こうが得た情報はすぐにでもこちらに知らせるように言いなさい!」
「は! 了解しました。それで、キシリア様。グラナダはともかく、他の月面都市はどうしますか? ルナ・ジオンと名乗る者達の戦力が具体的にどれくらいのものなのか分からない以上、下手に戦力を出しても……」
「兄上の部下のいる部隊を派遣しなさい。派遣する規模は必要最低限で構いません。とにかく、向こうの戦力が具体的にどれくらいなのか知る必要があります。それと……兵士の士気はどうか?」
キシリアの指示を聞いていた部下は、首を横に振る。
「黒い三連星が向こうにいるというのは、大きいです」
「で、あろうな」
その報告に、キシリアは小さく溜息を吐く。
黒い三連星は、キシリアが擁する突撃機動軍の中で最も名の知られたパイロット達だ。
ルウム戦役において、アナンケというレビルの旗艦を撃破し、レビルをも捕らえた。
その大々的なネームバリューは、ギレンと政治的に敵対しているキシリアにとっては、これ以上ない程に効果的なものだった。
だからこそ、キシリアは黒い三連星を突撃機動軍の顔……とまではいかないが、それに近い感じで使ってきた。
その黒い三連星が、こうして堂々と自分と敵対したのだから、それで影響が出ない訳がない。
いや、寧ろ今の状況はまだそこまで強い影響が出ていないが、これから先の方が大きな影響をもたらす可能性が高い。
「黒い三連星の他に、ランバ・ラルもいたな。それに、シーマ・ガラハウにアンリ・シュレッサーの姿も。他にも何人か見覚えのある者もいた」
「……は」
ラルはともかく、黒い三連星にシーマという、使い勝手の良い戦力が纏めて奪われたのだから、キシリアにとって面白い筈がない。
ましてや、コロニー落としの件や人質の件といった具合に、ジオン軍の暗部とでも呼ぶべき事を言われているのを思えば、ルナ・ジオン建国の際の演説は予
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