467部分:第三十六話 思わぬ出会いその九
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第三十六話 思わぬ出会いその九
「それでもな」
「飲んで食べはじめてるのね」
「どうしたんだろうな」
「さあ。ただ」
「ただ?」
「そうなることがあったんでしょ」
津島も三人をちらりと見た。そのうえでの言葉だった。
「やっぱり」
「何か吹っ切れた感じだな」
「だったらそれでいいじゃない」
「いいか」
「どうしようもない悪い奴でない限り」
津島は言った。少なくとも三人はだ。そこまで悪い人間ではないということはだ。津島も実際に話したことはないが感じ取っていた。
「元気に飲み食いできるのはね」
「いいか」
「そうよ。だからいいじゃない」
こう狭山に話すのだった。
「やっぱりね」
「それもそうか」
「そうよ。だからね」
「だから?」
「お代わりしよう」
あっさりとだ。そのミートソースを食べ終えたのだった。狭山もそれと同時にであった。
「次は何食べる?」
「ラザニアいくか」
「それね」
「ああ、それどうだよ」
ワインを一杯自分のグラスに注ぎ込んで一気に飲み干してから問うた。
「それでな」
「いいわね。じゃあ次はラザニアね」
「それ二つだよな」
「そう、何かどんどん食べられるわね」
「美味いだろ」
「やっぱりこのお店もあれよね」
ここでこんなことを言う津島だった。
「八条グループのお店よね」
「ああ、そうだよ」
その通りだと返す狭山だった。
「そこの系列のファミリーレストランだよ」
「やっぱりね。そんな気がしたわ」
「味が安定してていいよな」
「素材もしっかりしてるしな」
「じゃその素材がしっかりしたラザニアな」
狭山はそちらに話を戻した。料理にだ。
「それ二つな。頼もうか」
「ワインも減ってきたわね。じゃあそっちもね」
「ああ、じゃんじゃんいこうぜ」
こう話してだった。二人は笑顔で話していくのだった。彼等は何も知らなかったがそれでも喜んでいた。三人の笑顔を見てだ。
星華は先輩と共にプラネタリウムに入った。そこは円形のドームであった。
中はまだ白い。証明で照らされた天井は幕になっている。
その幕を見上げながらだ。星華は先輩に話すのだった。
「あの」
「まだはじまっていないわね」
「そうですね。けれど」
「けれど。どうしたの?」
「ここで出て来る星座ってどんなのでしょうか」
彼女がここで言うのはこのことだった。
「一体」
「色々よ」
「色々ですか」
「そうよ、色々よ」
そうだというのである。
「色々な星座が出て来るから」
「秋や冬だけじゃないんですね」
「そこが本当の夜空とは違うのよ」
先輩は星華に笑顔を向けながらこう話すのだった。
「そこがね」
「違うんですか」
「だって。本当の夜空と同じだったら
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