466部分:第三十六話 思わぬ出会いその八
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第三十六話 思わぬ出会いその八
「けれど」
「それでもなのね」
「これからなのね」
「これから。星華ちゃんを」
「本当に御願いします」
星子の言葉には切実なものさえ宿っていた。
「お姉、先輩達のことが大好きですし」
「大好きって」
「私達を」
「そうしてくれてるの」
「そうです。頼りにもしてますし」
またこうも話すのだった。
「御願いします」
「じゃあ」
「私達に何ができるかわからないけれど」
「それなら」
そこまで切実に言われるとであった。三人もであった。
真剣な顔になってだ。そのうえで言うのであった。
「一緒にいさせてもらうわ」
「迷惑にならないようにするから」
「せめて。そんな風には」
ならないようにするというのだ。反省が三人をそう言わせていた。
それでだった。三人も決めたのだった。
「わかったから」
「ずっとね。星華ちゃんとね」
「そうさせてもらうわ」
「有り難うございます」
三人のその言葉を受けてだった。星子も笑顔で応えた。
そうしてだった。あらためて三人に言うのであった。
「じゃあ私は」
「あっ、もう行くのね」
「塾によね」
「今から」
「はい、そうです」
まさにその通りだった。塾に行く時間が来たのだ。丁度ここでコーヒーも飲み終わっていた。本当に絶交のタイミングであった。
「それじゃあこれで」
「ええ、またね」
「またお家に行くから」
「その時はね」
「楽しくですね」
にこりと笑ってだ。そのうえで席を立ってだ。彼女は塾に向かうのだった。
残された三人はだ。何時の間にか晴れやかな顔になっていた。そうしてその晴れやかになった顔でだ。お互いに見合って話をした。
「それじゃあね」
「ええ」
「あらためて」
こう言い合い。
「食べよう」
「そして飲もう」
「そうしよう」
そう言い合いだった。実際に本格的に飲み食いをはじめるのだった。
そしてそのうえでだ。こうも話すのだった。
「たっぷり飲んで食べてね」
「英気を養ってね」
「それでね」
「星華ちゃんと楽しくやろうね」
「四人になってそれで」
「ずっとね」
こうしてであった。これからのこと、星華とのことを誓い合うのだった。今の三人のこれはそうした誓いの飲み食いであったのである。
そんな三人はだ。ちらりと狭山に見られていた。
彼は今はスパゲティミートソースを食べていた。食べながらだ。津島に言うのだった。
「なあ」
「どうしたの?」
同じくミートソースを食べている津島が彼に返した。
「何かあったの?」
「何かあの三人な」
彼女達を見ながらだ。話すのだった。
「急に飲み食いが凄くなったな」
「そうなの」
「それまであまり進んでなかった
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