464部分:第三十六話 思わぬ出会いその六
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第三十六話 思わぬ出会いその六
「とても。離れるとかできないし」
「離れたくないし」
「一緒にいたい」
彼女達にそう思わせる。星華は人間として魅力があるのは確かだった。それは彼女達も否定できない、確かなものなのであった。
「けれど、こんな私達が一緒にいたら」
「星華ちゃんにやっぱり」
「迷惑がかかるんじゃ」
こうそれぞれ思うのだった。しかしであった。
ふとそこにだ。誰かが来た。それは。
「あの、いいですか?」
「えっ、星子ちゃん!?」
「どうしてここに?」
「何でいるの?」
星子だった。中学校の制服姿の彼女が三人の前に現れたのだ。そうしてそのうえで彼女達に声をかけてきたのである。
「このお店に」
「どうして」
「ちょっと。塾の前に」
こう話す星子だった。
「寄ったんです。お茶を飲みに」
「ああ、そうだったの」
「それでだったの」
「はい、そうなんです」
こうだ。三人に笑顔で話すのだった。
「それで今入ったんですけれど」
「じゃあまだ席決まってないの」
「そうなんだ」
「それじゃあ」
それを受けてだった。三人はだ。
「同席どう?」
「よかったらだけれど」
「あっ、いいんですか」
「お酒はまずいけれどね」
「塾に行くのよね」
それは駄目だというのであった。しかしだった。
「それでも。どう?」
「晩御飯は食べた?」
「そっちは」
「お家に帰ってから食べます」
それはだというのだった。
「塾はちょっと進路の紙を出しに行くだけですし」
「よく考えたら今日日曜だったわね」
「そうだったわね」
三人はここでこのことを思い出した。話にかかりっきりでついつい曜日を忘れてしまっていたのである。それでなのだった。
「じゃあそれだけだったら」
「お酒はいい?」
「いや、やっぱりそれはまずいでしょ」
八条町は未成年であっても結構おおっぴらに酒が飲める。しかしそれでもだとだ。橋口が他の二人を止めてこう言うのであった。
「塾に行くのよ」
「そうよね。少しでも」
「それだったら」
「そうよ。それはまずいわ」
これで酒は結局駄目になった。そしてであった。
星子自身もだ。こう言うのであった。
「私晩御飯はお家で食べますから」
「じゃあ一杯だけなのね」
「紅茶かコーヒーを」
「はい、そうさせてもらいます」
三人にもこう話すのだった。
「それじゃあ」
「まあ席は一緒にね」
「一緒の席に座りましょう」
「それじゃあね」
こうしてであった。星子は三人と一緒に座ってだ。コーヒーを頼んでからだ。こう彼女達に言うのであった。
「それにしてもですね」
「それにしても?」
「っていうと?」
「どうかしたの?」
「いえ、先輩達お姉といつも一緒
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