外伝〜カイエン公爵家の才女達〜
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〜オルキスタワー〜
それぞれの場所でそれぞれの戦いが始まっている中ミュゼはカイエン公爵令嬢姉妹と対面していた。
「ユーディット皇妃陛下、それにキュアさん。本日は私のような者の為に時間を取って頂き、心より感謝致しますわ。」
「え、えっと………」
「……貴女が私達との会談を望んだ要件を訊ねる前に一つ聞きたい事があります。―――――何故、リーゼアリア嬢をそそのかして、オルキスタワーから抜け出させたのですか?」
ミュゼに会釈をされたキュアが戸惑っている中ユーディットは真剣な表情でミュゼに問いかけた。
「そんな、そそのかすだなんて………私は女学院に通っていた頃にお世話になった恩を少しでも返す為にリーゼアリア先輩の悩みを解決する方法を提案しただけですわ。」
「それを”そそのかす”って言うんだけど…………――――って、”リーゼアリアさんが女学院――――聖アストライア女学院時代にお世話になった先輩”?――――!!まさか、貴女は………!」
「………やはり貴女は”私達の世界のミュゼ―――いえ、ミルディーヌ”ね?」
笑顔で答えを誤魔化そうとしているミュゼの答えに呆れた表情で溜息を吐いたキュアだったがある事に気づいて血相を変え、ユーディットは真剣な表情でミュゼに問いかけた。
「フフッ…………――――さすが、”才媛”と名高い”ユーディお姉様”とその妹であられるキュアさんですわね。お二人とも、お久しぶりですわ。祝福するのが遅くなりましたが、ユーディお姉様のご結婚とキュアさんの次期カイエン公爵家当主の内定、おめでとうございますわ♪」
「………こうして顔を合わせて、話をするのは本当に久しぶりね。まさか貴女が”並行世界の未来の貴女”と接触していた事―――いえ、”並行世界の未来の貴女が貴女に接触していた事”には驚いたけど………一体何の為に私達との会談をセッティングした理由は――――愚問だったわね。」
「ユーディと私、それぞれに当てた手紙の内容であるお願い――――エレボニア側のカイエン公爵家当主内定の為の力添えの件、だよね?」
ミュゼに微笑まれた二人はそれぞれ静かな表情を浮かべてミュゼを見つめ
「―――はい。手紙にも書いた通り、私達――――エレボニア帝国貴族の未来の為にもバラッド侯をエレボニア側のカイエン公爵にする訳にはいかなく、私が就かなければならないのです。ですがお恥ずかしい話、現状バラッド侯が優勢で私だけの力ではとてもバラッド侯を押しのけてエレボニア側の次期カイエン公爵に就任する事は厳しいのですわ。なので、是非お二人にも私に協力して頂きたいのですわ。」
二人に見つめられたミュゼは真剣な表情で頷いて説明をした。
「……貴女の事だから、他の”四大名門”――――アルバレア、ログナー、そしてハイアームズの当主達の協力を取り付けているのではないかしら?
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