暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜カイエン公爵家の才女達〜
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
わざわざ外国―――それも、クロスベルに帰属した件でエレボニア貴族達から色々と怒りや恨みを買っている私達の力が必要な程、貴女の協力者は足りないのかしら?」
「ええ。ユーディお姉様もご存知の通り、”七日戦役”によってエレボニアは多くの領土を失いました。そしてその出来事によってハイアームズ候はともかくアルバレア侯――――ユーシスさんとログナー侯はかつての”四大名門”としての力や影響力は衰えていますわ。特にユーシスさんは当主に就任してまだ1年くらいしか経っていない上、父君―――前アルバレア公爵閣下が”七日戦役勃発の張本人”だった事による背負ってしまった”アルバレアの負債”がある為、戦力、財力、貴族としての影響力を含めたあらゆる方面でバラッド侯もそうですが他の”四大名門”と比べると劣っている状況ですし……こんな私に剣を捧げてくれた私にとって唯一の騎士である”羅刹”も”七日戦役”によって亡くなってしまいましたし………」
「”羅刹”ってもしかして………」
「………オーレリア将軍ね。まさかオーレリア将軍が貴女を”主”と認めていたとはね………」
ユーディットの指摘に対して静かな表情で答えたミュゼは僅かに悲しそうな表情を浮かべ、ミュゼの話で出て来た人物に心当たりがあるキュアは目を丸くし、ユーディットは重々しい様子を纏って呟いた後静かな表情でミュゼを見つめた。

「その………将軍が討たれた件で、ミルディーヌは将軍を討ったメンフィル帝国やメンフィル帝国に従順な態度を取った私達を恨んだりはしていないの……?」
「オーレリア将軍の件は本当に残念でしたが、”七日戦役”は我が国―――いえ、私達エレボニア帝国貴族に全面的な非があるのですし、キュアさん達は御自分達だけでなく、オルディス―――いえ、ラマールの貴族達を守る為にラマール統括領主の血を引くカイエン公爵家として当然の行動を取っただけですから、将軍や”七日戦役”の件でお二人もそうですがメンフィル帝国に対して思う所はありませんわ。」
「……………単刀直入に聞くわ。貴女の私達クロスベル側のカイエン公爵家―――いえ、メンフィル・クロスベル連合に対する要求はどんな内容かしら?そしてその要求に対して、貴女はどのような対価を提示するのかしら?」
キュアの質問に対して静かな表情で答えたミュゼの説明を聞いて目を伏せて黙り込んでいたユーディットは目を見開いてミュゼに問いかけた。
「……………ふふっ、さすがユーディお姉様。話が早くて助かりますわ。まずユーディお姉様達――――クロスベル側のカイエン公爵家に対してお願いしたいのは”カイエン公爵本家が保有している財産の一部”を私に贈与して頂く事ですわ。」
「え……わ、カイエン公爵家(私達)の財産の一部をミルディーヌに……?ミルディーヌって、そんなにお金に執着するような人には見えなかったけど…
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ