第14話
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「大神!」「大神さん?」「大神君?」「大神君!」
元男美女の後ろ姿を何時までも眺めていたら、突如俺を呼ぶ声が複数聞こえてきた。
振り向くとそこには色とりどりの浴衣を着た巨大な猫が4匹。
「わぁ……皆、浴衣姿だ。可愛いね」
出来れば人間の姿で見たかった……とは言えず、巨大猫に浴衣というシュールな絵面を我慢して褒めておくことに……
「あ、ありがとう……そ、そう言う大神君だって、その甚平ステキじゃないの?」
「ホントホント。夏の男って感じだぜ?」
「殿方の衣服に無頓着な私でも、その素晴らしさは解りますわ?」
「うん。大神君は渋いよね?」
四者四様の社交辞令をもらったところで、先程見た光景を皆にも教えてあげる。
つまり、蔵原と真田さんの事だ。
ジェスチャーを交え、奴等が向かった先を指差して教える。
皆の視線が神社の方へ向いた所で、見られない様にルーペで好感度を計測する。
佐藤さん『?27764』・白鳥さん『?27775』・渡辺さん『?27751』・小林先生『?27763』
先日の無人島バカンスで、飛躍的に上昇した好感度。
未だにMAX値が判らないが、これってかなり高い値なんじゃないの?
「ホント……蔵原の奴はどうしようもない男だな。この前の旅行で、真田との仲を深めたと思ってたのに……」
「幼馴染みで、真田さんの性転換の一番の理解者らしいし、元から中は深いんじゃないの? 問題なのは彼の性格でしょ」
「あんなに思ってるのに、幸ちゃん可哀想……」
「渡辺さんの意見も解りますけど、性格面は熟知してるようですし、そのくらいで落ち込む程メンタルは弱くないのではないですか?」
本当にこの4人はコイバナが好きだなぁ……
女の子ってそう言うモノなのか?
でもウチの姉は、そう言うところが微塵も無いからなぁ……
「さぁ……問題児蔵原君は放って置いて、私達は私達なりにお祭りを楽しみましょう」
「賛成賛成! 先生の意見に大賛成!」
「相変わらず佐藤さんは、遊ぶことだけは積極的ですわね」
「普通の高校生は、皆同じですよぉ、エレナちゃん」
祭りを堪能することに決定した一行は、呆然とする俺の手を引き、祭りの中へと誘っていく。
皆さん興奮してるのか、何となく顔が赤らんでる気がする。
先生は兎も角、まさかお酒なんか飲んでないよね?
甚平パワーか、はたまた馬鹿=猫マジックか……
今日の俺には財力がある。
甚平姿の俺を見た両親が、各々5000円づつ提供してくれたからだ。
恩着せがましくするつもりはないのだが、金持ちが居ようが大人が居ようが、男として奢り倒すのは当然の義務だろう。
焼きそば・綿アメ・金魚すくい……美女(推定)4人に奢りますよ!
は
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ