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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第十四話 災厄の少女の采配
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るはずです。その隙を狙って随時避難。それまでの辛抱です」

凰香がそう言うと、天龍は呆けた顔になる。言葉の意味が理解できない、とでも言いたげだ。
凰香の胸倉を掴む力が段々抜けていき、凰香はそれを見計らって天龍の手から逃れる。
凰香が自分の手から逃れたことでようやく気付いた天龍は呆けた顔を凰香に向け、次の瞬間噴き出した。
 
「っ……つまり、お前はそれだけを言うためにここに来たってことか?」
「ええ、概ねその通りです」
 
そう言った瞬間、天龍は先ほどよりも盛大に噴き出し、腹を抱えて笑い始めた。
そのことを不思議に思った凰香は首をか傾げる。
 
「一体どうしたんですか? 窮地にいる今なら士気うなぎ上り間違いなしの情報ですよ?」
「……っ、は……そ、それ、さっき大淀が無線で言ってたぞ?」
「え、本当ですか?」
「大淀が全艦娘共有の無線で応援要請を飛ばしていたからな。残念だが、今ここにいる艦娘は全員知ってるだろうよ」

天龍がそう言ってくる。どうやら応援を要請しただけではなく、そのことを全体に伝えていたようだ。
凰香が艦娘達に伝え回る必要は無くなったらしい。まあそれはそれでいいのだが。
 
「っ!? 退いてろ!!」
 
不意に天龍が鋭い声を上げて凰香を横に蹴飛ばし、それと同時に天龍自身も真横に飛ぶ。
次の瞬間機銃の発砲音が聞こえ、今まで凰香達が立っていた場所に無数の弾痕が穿たれる。
凰香が受け身を取って着地すると、頭の中に防空棲姫の声が響いた。

『凰香、ぼさっとしないで』
「(ごめん、ちょっと油断した)」

凰香は頭の中で短くそう返すと、天龍に言った。
 
「天龍さん、大丈―――」
「頭下げてろ!!」
 
凰香の言葉は天竜の怒号で掻き消され、視界も天龍に頭を踏み付けられたことで塞がれてしまう。しかし、頭にのせられた彼女の足はすぐに離れ、同時に地面を蹴る音が聞こえた。
 
凰香が顔を上げると、天龍が傍にあったテントの残骸を踏み台に大きく跳躍し刀を振り上げていた。その先に方向転換を行おうとする艦載機の姿がある。
 
「おらァッ!!」
 
腹の底から吠える様に声を出し、天龍は艦載機目掛けて刀を振り下ろす。刀を振り下ろされた艦載機は綺麗に真っ二つに割れ、次の瞬間爆発を起こした。
 
「天龍さん!!」
 
空中で爆風を諸に喰らった天龍は勢いよく吹き飛ばされる。
凰香は大きく跳躍し、空中で天龍を受け止めて地面に着地した。
 
「天龍さん!!大丈夫ですか!!」
「っ……し、心配ねぇよ……」

凰香の言葉に天龍は強がってみせるが、その言葉とは裏腹に両腕は爆風による火傷が痛々しく刻まれ、肩
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