純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 6
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「……え? あら?」
「? どうかなさいましたか?」
透明な花の実を摘みに行くリースリンデの背中を見送る私に、左肩周辺で浮遊していたリオルカーンが、不思議そうな声色で問いかける。
「ん……。ねえ、リオルカーン。貴女達精霊って、人間の外見は、ほとんど見分けられないと言ってなかった?」
「はい。さすがに、色合いや性別や極端な年齢の差くらいなら判りますが、同性・同世代の微妙な違いを述べよ、とか言われちゃうと、難しいです」
「じゃあ、クロスツェルとアーレストさんの容姿に違いは?」
「髪の色が違うだけの、同じ顔にしか見えません」
「当然、リースリンデにも」
「同じに見えてると思いますよ」
「……そう、よね?」
私は、外見とか雰囲気がどことなく似てるかなって思ってたんだけど。
最初から同じ外見にしか見えてないのなら、リースリンデが一ヵ月もの間悩んで気付いた二人の共通点は、外見じゃないってこと?
目には見えてないモノ……。
力の面だと、アーレストさんが持ってる力と、クロスツェルが受けているロザリア達の加護では、系統が違うっぽいし。
精霊達はアーレストさんを汚いとも綺麗だとも言ってないから、その点で似ているとは言いがたい。
しかも。
「リオルカーンは、クロスツェルが好き?」
「リース達を助けてくれた点では感謝してますし、稀に見る綺麗な人間だなとは思いますが、それ以上の好感はありません」
「……でしょうね」
リースリンデと他の精霊ではクロスツェルへの感情に大きな開きがある。
『なんとなくクロスツェルと似てるから』って理由で、アーレストさんの傍に留まりたいとまで思うのは、多分リースリンデだけ。
つまり、精霊達が似ていると感じた二人の共通点は。
外見でも、神や悪魔が持つ力でもなく。
もっと別の、『本来なら精霊族の好感度には影響しない何か』?
精霊に恋愛感情はない、って言ってたけど。
もしもその通りだとしたら。
リースリンデはクロスツェルの何に、どんな好意を持っているのかしら。
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