Lv64 戦いの勝者
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浮かび上がり、風によって球体の周りを飛び回っている。
それは恐ろしいほどの威力を感じさせる魔力の球体であった。
出現した魔力の球体はアシュレイアへと向かって突き進む。
そして次の瞬間、球体は物凄い閃光を放ちながら、轟音と共に弾け飛んだのであった。
暴走した魔力の大爆発が、容赦なく、奴等に襲い掛かる。
【グッ! やはり、マダンテかッ】
【グギャァァ】
流石のアシュレイアも魔力の暴走に巻き込まれ、後方の壁に激突する。レヴァンも同様であった。
また、アシュレイアが腰掛けていた玉座も魔力の暴走により、幾つもの亀裂が走っていた。
その爆発の威力は、イオラなどとは比較にならないモノであった。その何倍ものエネルギーが放たれたに違いない。恐らく、このマダンテの威力は、まだ見ぬイオナズンをも軽く凌駕する規模のモノだろう。
しかも、爆風は俺達にも影響を与えるくらいで、地に足をしっかりと着けていないと、吹き飛ばされそうになるほどの威力だったのである。
アヴェル王子達の驚く声が聞こえてくる。
「なんて魔法だ……コータローさんが、こんな魔法を使えるなんて」
「ちょっと……何よ、この魔法……」
だが、それも束の間の事であった。
程なくして、魔力の暴走による大爆発は終わりを迎える事となる。
辺りは静けさを取り戻してゆく。
前方には、壁に打ち付けられたアシュレイアとレヴァン、そして、亀裂が幾重にも走る玉座の姿があった。
レヴァンは身動きしない。が、アシュレイアは暫くすると起き上がってきた。
わかっていた事だが、やはり、マダンテで奴を倒すのは無理だったのだろう。
アシュレイアは玉座をチラッと見た後、俺に向かって二ヤリと笑みを浮かべた。
【フフフッ……まさか、マダンテを使えるとはな。だが、あの不完全なマダンテでは、私を倒す事などは出来ぬ。無駄な悪足掻きよ。しかし……不完全とはいえ、マダンテを使える奴は捨てておけぬ。二度と生き返れぬよう、貴様は確実に始末してやろう】
俺はアシュレイアに笑みを返した。
「いや、悪足掻きではない……目的は達せられたよ」
【何だと……】
「俺の目的は、お前を倒す事ではない。お前達の結界術を止める事だ。その為には、結界の基点を破壊せねばならない。そして……俺はようやくソレを見つける事が出来た。お前がいる位置からではわからないだろうが……それはもう壊れる寸前だよ」
【ま、まさか……】
アシュレイアは慌てて玉座の正面へと回り込む。
するとそこには、今にも砕けそうなほど亀裂が走る、歪んだ黒い玉座が佇んでいた。
玉座の正面を見た瞬間、アシュレイアは息を飲む仕草をする。ゴクリという音が聞こえてきそうな感じだ。
そう……俺が破壊したかったのは、この玉座なのである。こ
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