Lv64 戦いの勝者
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とはいうものの、普通の魔法ではない。唯一、マホカンタの壁を打ち破れる攻撃魔法だ。ゲームでもレベルアップで覚えられるような魔法ではなかった。
そう……俺はその魔法について知っている。
だが、この魔法は呪文を唱えれば行使できるというモノではない。
まず大前提として、今の俺のように魔生門を開いた者でないと使えないという事だ。
そして、この状態を維持したまま、空中に複雑で幾何学な魔法発動式を術者の指先で描き、最後に発動コードとなる呪文を唱えて、その魔法は完成するのである。
(さぁ……時間がない。始めよう……)
俺は精神を研ぎ澄ませ、指先に魔力を集中させた後、発動の為の魔法陣を描き始めた。
目の前の空間をキャンバスにして、指先をマジックペンの如く使い、俺は受け継いだ記憶を元に、幾何学な模様を描き続ける。
すると程なくして、アシュレイアの詠唱が止まった。
奴は険しい表情で俺を睨んでいた。
【まさか……その魔法陣はッ! なぜ貴様がその魔法を使えるッ! クッ……いかんッ! レヴァンよッ、コータローの魔法を止めろッ! あの魔法は完成させてはならんッ!】
【ハッ、アシュレイア様】
レヴァンは仰ぐ翼を止め、宙に飛び上がり、俺へと目掛けて突進してきた。
だがそこで、アヴェル王子とレイスさん、それとシェーラさんとルッシラさんが、俺とレヴァンの間に割り込み、立ち塞がってくれたのである。
「続けてください、コータローさんッ。レヴァンは我々が対処しますッ」
「コータローさん、奴は我等で喰い止める」
「こちらは任せて、コータローさん」
俺は無言で頷き、そのまま発動式を描き続けた。
レヴァンはアヴェル王子達の前で立ち止まる。
【チッ、うるさい蠅共めッ! まずはお前達からだッ! 喰らえッ、バギクロス!】
「グアァァ」
「クッ」
「キャァァ」
アヴェル王子達を風の刃が切り刻む。が、俺には届かない。
続いて、シャールさんとウォーレンさん、そしてフィオナ王女が即座にベホイミを唱えた。
王子達の傷はみるみる塞がってゆく。
そして、すぐに4人は、レヴァンへと攻撃を開始したのである。
「レヴァン、コータローさんの邪魔はさせんぞッ。デヤァッ!」
アヴェル王子の振るうデインの魔法剣が、奴の足を斬り裂いた。
その刹那、奴の足から鮮血が滴り落ちる。
続いてレイスさんとシェーラさんの斬撃が振るわれる。が、しかし、それは宙を舞い、レヴァンはなんとか逃れた。
レヴァンは苦虫を噛み潰したような表情で、吐き捨てるように声を荒げた。
【グアァァ……オ、オノレェェッ! ウジ虫共がァァァッ!】
と、そこで、アシュレイアの声が響き渡った。
【レヴァン! 奴を使え!】
【ハッ、アシュレイア様】
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