Lv64 戦いの勝者
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と同様、後方で皆の支援をお願いします」
「ですが……コータローさんの身体が心配ですわ。本当に大丈夫なんですの?」
「コータローさん、遠慮せずに私達を使ってください」
彼女達は心配そうな眼差しを俺に向けていた。
「大丈夫……とは言えないですが、ここは俺に任せてください。それとサナちゃん、コレを使わせてもらうよ」
俺は道具袋から、黄色い液体が入った小瓶を取り出した。
「それはエルフの飲み薬……」
俺は頷くと、小瓶の蓋を開け、一気に口の中へと流し込んだ。
その瞬間、魔力が全身に漲ってくる感じが現れた。魔力全快である。
「これで準備完了です。では、行ってきます。2人は後方で皆の支援をお願いしますね」
俺は2人にそれだけを告げ、前線へと歩を進めたのである。
[W]
アヴェル王子達は今、レヴァンと対峙しているところであった。
その奥にいるアシュレイアは、目を閉じて印を組み、今も尚、呪文詠唱を続けているところだ。
王子がここにいるという事は、俺がメラゾーマでやられた後、すぐに引き返したのだろう。賢明な判断である。
まぁそれはさておき、戦況は相変わらずのようだ。レヴァンは今も尚、左右の翼で暴風を巻き起こし続けていた。時間稼ぎをするのならば、これほど使い勝手のいい能力は無いだろう。
皆の近くに来たところで、まずレヴァンが俺に気付いた。
【馬鹿なッ! なぜ、貴様が生きているッ! アシュレイア様のメラゾーマを喰らって生きているなんてッ!】
それを聞き、アシュレイアの目が開く。が、奴の口は呪文詠唱を続けていた。
アシュレイアは目を細め、俺をジッと睨みつけていた。表情を見る限り、腑に落ちないといった感じだろうか。
始末したと思った奴が生きていたのだから、この表情は当然だろう。
また、アヴェル王子達もそれを聞き、俺の方へと振り返った。
「コータローさんッ!」
「コータロー様!」
「ウソ……本当にコータローさんなの、オレンジ色に光ってるけど……」
「大丈夫だったんですかッ、コータローさんッ!」
「コータロー、お前、何ともないのかッ!」
「貴殿は……無事なのか?」
「幽霊……ではなさそうね」
死んでいて当然の状況を目の当たりにしたのだから、まぁこうなるのも無理はないだろう。
「一度死に掛けましたが、なんとか生き返る事ができました。ところで、戦況はどんな感じですか?」
アヴェル王子は眉間に皺を寄せ、険しい表情を浮かべる。
「状況は……何も変わっておりません。最早、打つ手無しです……」
王子の言葉を聞き、他の皆も肩を落とした。
そんな重苦しい空気の中、俺は話を切り出した。
「そうですか……では、1つだけ方法があるので、私が今から、それを実行します」
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