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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv64 戦いの勝者
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は、オレンジ色の光をその身に纏ったまま、2人に微笑んだ。

「ありがとう、アーシャさんにサナちゃん。お陰で、死の淵から戻れたよ」――


   [V]


 2人の呼びかける声によって、俺はまた現実へと帰ってくることができた。
 前方に視線を向けると、レヴァンと対峙するアヴェル王子達の姿と、玉座に腰掛け、印を結びながら呪文を唱えるアシュレイアの姿があった。
 ここから察するに、俺がメラゾーマを喰らってから、さほど時間が経っていないに違いない。
(状況は、俺がやられた時とほぼ変わりなしか。……とりあえず、誰も戦線離脱はしてないようだ。アヴェル王子も他の皆と共に、レヴァンと対峙している。この様子を見る限り、アシュレイアも俺を始末した後は、付近にいたアヴェル王子を無視し、結界の完成に力を向けたのだろう……ン?)
 と、その時、胸から灰色の葉が床へと落ちていった。
 葉は、床に舞い落ちた瞬間、霧散する。
 俺はそれを見た事により、自分の身に何が起きたのかを理解した。
(どうやら俺は、一度死んだようだ。世界樹の葉で蘇生されたのだろう。ラーのオッサンが2人に指示したに違いない……)
 そんな事を考えていると、背後からラーのオッサンの声が聞こえてきた。
「コータローよ……残念だが、まだ戦いは終わっておらぬ」
「そのようだね。で、何か良い方法はあるのか?」
「方法はない。我が言えるのは先程と同じよ。奴をなんとかせん限り、我等の運命は変わらぬという事だ。で……お主はどうなんだ? 何か策はあるのか? 向こうで何かを手に入れたのだろう?」
「まぁね……でも、うまくいくかどうかはわからんよ」
 ラーのオッサンは、俺について何かを知っている。
 もしかすると、俺がこの世界に来た理由や、あの黒い存在についても知ってるのかもしれない。
(今までの状況証拠から見て、このオッサンは恐らく、精霊王リュビスト本人だ。知っていても不思議ではない。が……今はまず、この状況をどうにかしないとな。うまく生き延びられたら、あの黒い存在について問い(ただ)してやるとしよう……)
 俺は雑念を振り払い、アシュレイアへと視線を向けた。
「その口ぶり……お主、何かに気付いたな」
「ああ、お陰さんでね」
「そうか……何れにしろ、このままでは何も変わらぬ。ならば、賭けになるが、それをやってみるしかないだろう……」
 流石のラーさんも少し弱気のようだ。
 つーわけで、いつぞやのラティに告げた言葉をラーさんにも送っておいた。
「ラーさん……やるか、やらぬかだよ。試しなんて必要ない」
 と、ここで、アーシャさんとサナちゃんが話に入ってきた。
「コータローさん、一体何をするつもりなんですの?」
「私にも、何かできる事があるなら言ってください」
「2人は先程
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