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練習あるのみ
第四章

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 するとこのことからもピアノの腕が上達した、耳で聴いた曲のいい部分を自分の演奏で出そうと思ったり資料から作曲家やその曲にあるものをよく知ってだ。
 そうしてだ、そのうえでだった。
 家でも奏でるとだ、先生は笑顔で言った。
「またよくなっています」
「ピアノの腕がですね」
「はい、おわかりになられた様ですね」
「部活で言われたんです」
 ユキは先生に部長に教えてもらったことを話した。
「練習は大事ですが演奏するだけじゃない」
「そのことをですか」
「言われてわかりました」 
 そうだったというのだ。
「聴いたり読むことも」
「はい、本当にそうしたこともです」
「練習ですね」
「ピアノは才能も重要ですが」
「練習ですね」
「何といっても練習あるのみです」
 ユキの練習熱心さを踏まえての言葉だ。
「その通りです、ですが」
「練習は、ですね」
「演奏だけではないです」
「聴く、読むというのですね」
「そうしたこともです」
「音楽ですね」
「はい」
 その通りだというのだ。
「そうなのです」
「そうですね、では」
「はい、これからはです」
「演奏の練習だけじゃなくて」
「聴いて読んでいって下さい」
 ピアノのそうしたこともというのだ。
「そうされて下さい」
「そうしていきます」
「演奏には限界があります」
「手を痛めてしまいますね」
「そうなってもいけないので」
「だから演奏は限界までして」
「そうしてです」
 先生はユキにさらに話した。
「聴いて読んでいって」
「そうした練習もしていって」
「学ばれて下さい」
「わかしました」
 ユキは素直に頷いた、そしてだった。
 そうした練習もしていった、すると実際にピアノの腕はさらによくなった。やがて国際的なピアニストとして知られる相良ユキの学生時代の話である。


練習あるのみ   完


                 2018・8・22
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