第三章
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「女の人では大きい方でしょ」
「私でもなの」
「そうよ。大体小さくてそんなに嫌?」
「凄く嫌だから言ってるの」
マサミは姉に即座にかつ真剣に答えた。
「いつもね」
「やっぱりそうよね」
「それ何を今更だけれど」
「けれど小柄な女の子が好きな男の人もいるわよ」
「そうかしら」
「そうした人もいるし一五〇位じゃ身長制限にもかからないでしょ」
この心配もないというのだ。
「そうでしょ」
「そうかしら」
「だから大丈夫よ、一五〇位だと」
それこそというのだ。
「全然気にしなくていいわよ、それに一五〇以下でも」
より小さいと、というのだ。
「死ぬ訳でもないし」
「いいっていうの」
「そうよ、何でそこまで言うのか」
それはというのだ。
「コンプレックスなのはわかるけれど」
「気にしてもなの」
「仕方ないって思ってふっきるのも大事よ」
「そんなものかしら」
「昔はあんたで大きな方だったし」
小柄なことを気にしているマサミでもというのだ。
「一五〇位って思うことも、そして仕方ないともね」
「ふっきることも」
「必要よ。とにかく極端に気にしても」
それでもというのだ。
「仕方ないものよ。世の中小さな人も髪の毛が薄い人も体毛が濃い人も太り過ぎの人もいるから」
「コンプレックスはそれぞれなの」
「人それぞれよ。自分だけとも思ったら駄目よ」
「そう言うお姉ちゃんにもコンプレックスあるの」
「毛深いから」
それが姉のコンプレックスだというのだ。
「これはこれで苦労するから」
「私と同じなの」
「そうよ。背が高くなる様に努力することはいいことだけれど」
姉もそれは否定しなかった。
「色々とわかったりふっきったりすることも大事よ」
「そうしたものなのね」
「そうよ、じゃあお風呂入りなさい」
話が終わったところでだ、姉は妹にこうも言った。
「いいわね」
「あっ、次私なの」
「というか私がお風呂から出たから言ってるの」
今しがたというのだ。
「わかったら今からね」
「お風呂に入って」
「身体を奇麗にしなさい、身体は奇麗にしないと」
「背も大事だけれど」
「女の子が不潔じゃ問題外よ。そこもちゃんとしなさい」
「それじゃあね」
マサミは妹の言葉に頷いた、そうしてだった。
実際に風呂に入った、そのうえで身体を奇麗にした。そのうえで中学三年生なので受験の為の勉強にも励んだ。マサミがまだ中学三年生で人生はまだまだこれからという時の彼女なりにかなり悩んでいた時の話である。
一五〇位何だ 完
2018・8・22
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