オーバーロード 狼牙 3
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今日一日を休暇にしようかと。それと、モモンガさんにはこちらを」
予め打ち合わせをして傍に控えていたシズがお盆の上に布を敷き、その上に載せた人化の指輪をモモンガさんの元へと持っていく。
「これは?」
「人化の指輪。装着者のステータスを半減させる代わりに人間種へと変化させる指輪です。無論、五感が得られるのも、飲食不可・睡眠不可も解除されるのは確認済みです。初期の頃に産廃になったある意味激レアのゴミアイテムです」
「人化の指輪。噂にだけは聞いたことがあります。すぐに人化のスキルと魔法が実装されてゴミになったって」
「モモンガさん、どうぞ貰ってください。オレはモモンガさんと一緒に食事がしたいんです。皆で作り上げたナザリックを堪能するには人間種に近い感覚が必要だと思うんです」
「そうか。やはり気にしてたんですね」
「正直、罰ゲームでリアルの食事を作ろうと思うぐらいには」
「そうですか」
そう言ってモモンガさんが両手に嵌めている指輪の1つを外して人化の指輪を付ける。同時にオーバーロードの姿から日本人の面影を残した20代ぐらいの姿の人間に変化する。ソリュシャンが鏡を持ってモモンガさんの横に立ち、顔を映している。
「う〜ん、ほとんどリアルと変わらないけど、若返ってるのかな?あと西洋系もちょっと混じってるような」
「オレもそんな感じだから仕様なんでしょう。それじゃあ、朝食、の前にもう1つ。料理長」
料理長に無理を言って用意してもらったのはリアルでのチューブの中身(肉っぽい何か味)が一口分と(消毒)水が入ったグラスだ。それらが眼の前に並べられる。ついでに衝立で階層守護者たちの人数分のスペースが用意される。中にはゴミ箱と無限の水差しとティッシュが用意されている。さて、何人が耐えられるか。
「皆にもリアルでの環境がどのようなものかを理解してもらいたくてね。リアルで一般的に流通している物を再現してもらった」
「えっ、わざわざ用意してもらったんですか?」
「さあ、全員スプーンを持って、一斉に食べるぞ。せーの」
モモンガさんの質問を無視して守護者たちを促してゼリーを食べさせる。アウラとマーレは慌てて(消毒)水を口に含み、口を抑えながら衝立の中に飛び込んでいく。デミウルゴスとセバスは冷や汗をだらだらと流しながらも何とか耐えきっている。シャルティアとアルベドは咳き込みながら衝立の奥に消える。コキュートスは味覚が少し違うのか普通にしている。
「わぁ〜、ちょっとお高めの奴ですね」
「オレは基本これだったんですよ」
オレとモモンガさんは普通にゼリーと水を完食する。モモンガさんはむしろ少し嬉しそうだったりする。オレはこの数日で天然の食材を使っ
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