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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
第二章 神徒駆逐
第三十三話 敵将心攻
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の神経を逆撫でし、落ち着かないようにしてやろう。ここは一つ、ジムサとミリッツァにお願いしようか。
◇◇
敵の夜襲は撃退した。私、皇帝ギスカールは怪しい魔道士に拉致されかかったり、敵将に本陣まで斬り込んで来られたりもしたがな。奴らめ、どれだけ夜襲が好きなんだと思わず笑いそうになった。が、その笑いも周囲を見回してあることに気付き、戦慄に変わった。この敵、一体何だったというのだ…。
「陛下、お怪我はございませんでしょうか?」
大声をあげてこちらに駆けつけてきたのはモンフェラートだった。ボードワン亡き後、こいつの存在価値は重い。何としても失ってはならない。
「大丈夫だ。それよりもモンフェラート、これを見るがいい!」
「こ、これは!」
本陣まで斬りかかって来て、死んだ敵兵の死体。それが纏っていたのはマルヤムの軍装だった。そして、兜の下にあったのもマルヤム人の顔だった。つまり、今夜夜襲をかけてきたのはマルヤム軍だったということに他ならない。
「そんな馬鹿な!マルヤム軍が何故ここに!?奴らは既に滅んだはず…」
「そのはずであったがな。ここにいると言うことはそうではないのだろう。一人二人がマルヤム人であったと言う訳でもないようだしな。マルヤムで何かがあったか、最悪マルヤムはマルヤム軍に奪い返されているかもしれん」
「そんな…、しかし…」
私もそうではないと思いたいが、マルヤム方面からの連絡が最近途絶えているのは事実だ。そして、確かめる余裕もない。
「督戦隊を作る。この上マルヤム軍までもが敵に回るとなれば、怖気づく兵士どもも出てきかねん。もしも逃げ出すならば督戦隊に命じて斬り殺させる。味方に殺されるのが嫌ならば、兵士どもは死に物狂いで敵と戦うしかあるまいからな!」
「そ、そんな!陛下、お考え直し下さい!」
「ならん!今はお主の意見を聞いているのではない!今必要なのはお主の意見ではなく、お主の服従だ。ただちに督戦隊を編成するのだ。人数は五千人で良かろう。指揮する者については心当たりがある故、お主は人数を揃えよ!やってくれるだろうな!」
「は、はい、畏まりました…」
負ける訳にはいかない。いや、負けるかもしれないが、それでも再起の可能性を失う訳にはいかない。そして、その為にも今このモンフェラートを失う訳にもいかない。兵なら幾らでも得られるだろうが、これほど忠実で役立つ部下は一度失ってしまえば、この先決して得られないであろうから。たとえ、生き長らえる為に自分の足を食らったという伝説の大ダコのようだと言われようともな…。
◇◇
ジムサ隊の騎馬をマルヤム兵に貸し出させ、ジムサにマルヤム兵を率いさせてルシタニア軍に夜襲をかけさせた。原作ではここでイスファーンが夜襲を行っていたが、ジ
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