暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
「シリカとわたしは特別な『なかま』だそうです」
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!」

「ショウキ、早く行きましょう」

「……待て」

 初撃のブレスは距離を取っていたおかげで避けられたものの、シリカの飛行技術はお世辞にもあまり上手いとは言えない。しかも今のブレス攻撃を灯火としたかのように他のモンスターもシリカに気付いたために、悪いがピナのいないシリカにはあまり時間を稼ぐことは出来ないだろう。

「ですがシリカが危ないです」

「それでもだ」

 だからといって、タイミングを間違えてしまえば、それこそシリカの努力が無駄になってしまう。囮役の苦労はよく分かっているつもりだったショウキは、急かすプレミアをどうにかしてなだめて気をうかがいつつ、飛べない彼女がすぐさま移動できるように抱きかかえて。

「……よし、行くぞ!」

「はい!」

 威嚇の意味だったファイアブレスを放ったにもかかわらず、飛び去ろうとしないシリカに業を煮やしたのか、ドラゴンは遂に重い腰をあげる。定位置から動き出したドラゴンを見た瞬間、その背後からショウキはプレミアを抱えたまま地表すれすれを飛翔した。そうして気合い充分のまま抱えられたプレミアを投げるように放つと、細剣による閃光仕込みの突きが予告通りにドラゴンを貫いた。

「今だ!」

 苦悶の声をあげながら倒れ伏したドラゴンの隙を突いて、ショウキも自らの役割を果たさんと、OSSで出現させた日本刀で竜の尾の先端を抜刀術にて斬り裂いた。斬り裂かれた尻尾は中空を舞っていき、いつの間にやらドラゴンの直上にいたシリカが見事にキャッチする。とはいえキャリバーの頃のキリトのように、まだ自らのものになっていないために、アイテムボックスにしまうことは出来ずにいて。

「ショウキさん! ナイスでしたけどお願いします!」

「プレミア! 逃げるぞ!」

 今も小型の翼竜に追われているシリカには、その尻尾を持って逃げることは不可能であり、すぐさま放り投げたものをショウキが拾って。長居は無用とプレミアに声をかけた時に見たものは。

「プレミア!」

 足を一つ潰したことによってすっかりとヘイトが溜まり、ドラゴンに狙われているプレミアの姿だった。動きは鈍重なものの炎を放つ首はプレミアをしっかりと見据えており、プレミアもショウキの方へ向かって逃げてはいるものの、間に合うかどうかはギリギリのタイミングだ。

 ショウキが取れる手段は三つ。急いでプレミアを回収して飛び立つか、新たな武器を取り出してドラゴンのヘイトをこちらに向けるか、ファイアブレスを防げる大きな盾でも投げてプレミアに使わせるか。ただし迷っている暇はない――とショウキは思考を高速で回すと、もう一つの選択肢を選んで声をあげた。

「ピナ! 頼む!」

 プレミアに同行しているピナに叫ぶとともに、ドラゴンからファイアブレ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ