06.そうだ、刑務所に逝こう。
第8回
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駄目。明日は任務なんです。それに、今日物凄く疲れたので、フランさんに付き合ってる体力と気力は無いです」琴葉はフランとは反対の方を向いてから目を閉じる。「お休みなさい、フランさん」
「駄目。それでも寝ちゃうなら、全部私に任せてね」フランは琴葉を後ろから抱き締める。「如何成っても知らないけど」
「もう何でも良いですよ。今夜はフランさんの好きに為て下さい」半ば自棄で言った琴葉は、フランの腕の中で半回転し、フランの方を向く。そして、ピタリと密着した状態になる。「明日はよろしくお願いします。お休みなさい」
◇ ◆ ◇
夜が明け、朝が来る。
昨日襲撃があった場所には、既に沢山の看守が集まっていた。
『あれ? 琴葉さんとフランさん居なくね?』聖月が持っているトランシーバーの向こうから、一鶴の声が聞こえる。それを聞いて、近くに居た葉月が溜息を吐く。
「彼奴等が来るのは最後だろうな。何時も最後だし、彼奴等には重要な役目があるかんな」
「【空間操作】」
後方から聞こえてきた、凜とした声。その声の先には琴葉とフランが居た。
「おお、姐さん!! 朝から被害者だね……」紗耶香が苦笑を浮かべる。まぁ、そう思うのも無理は無い。
眼を隠すように頭に巻かれた包帯。横からはフランに抱き付かれている。
「否、違うよ時雨君。此れは琴葉君が望んでやっていることなんだ!!」
「んな訳無いです。私は、私の周り半径五十メートル内には近付かないで下さいって言ったんです。なのに、如何為てくっついてるんですか」
「でも、引き剥がしたりしないって事は、為て欲しいんでしょ?」
「如何為てこんなに面倒臭いんだ……?」
「任務が終わったら、昨夜と同じ事、しよっか」
「この任務が終わると同時に、フランさんの命は無くなりますよ。その辺に、貴方を狙っている獣は沢山居るので」
「ふふふ、面白い冗談だねぇ。でも、そういう話で切り抜けられると思っているのか………い」
「「「フシャァァァァアア…………」」」
「一寸待って、葉月君と時雨君と白凪君の様子が変なんだけど?」
「残念でしたね、頑張って生き延びてくださーい」
「えぇぇぇええええええええ!? 琴葉君、此れ如何すれば良いの!?」
「昨夜の事を正直に話せば良いんじゃないですかぁ?」
「え、良いの? 言っても」
「言えるんですか? エェ、言えるんですかぁ?」
「…………」
「あのなぁ、残念二人組」葉月が溜息を吐く。それと共に、紗耶香と凛はサッと葉月が居ない方を向く。「任務前夜までイチャイチャすんのはマジで止めろ」
静寂。全員が雷に打たれたように固まっている。ただ、波が地面に打ち付ける音が流れていく。
「………それは、昨夜…………」フランが静寂を破る。フランには似合わ
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