第13話
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ッチはお前の為にさきいかを買ってるんだぞ。なのにマジックアイテムでも無い、唯のワゴンセール品を渡されるなんて……文句もあるだろ」
「お前、良く考えてみろ。お前の買ったお徳用さきいかは幾らだったかにゃ?」
「え? ……まぁ、税込み298円だけど」
「アチシの買った甚平は、セール品とは言え980円にゃ!」
「……………」
「勝手にマジックアイテムを期待してるのは、アチシの知った事じゃ無いにゃ。女への好感度を上げる為に使えそうなアイテムを渡してる……ただそれだけにゃ」
「た、確かに……298円で甚平が手に入ったと思えばお得……かな?」
「そうじゃろう、そうじゃろう! じゃぁ納得した所で、お前はサッサと祭りに行くにゃ。アチシはさきいか食べながらマンガ読むから、邪魔するにゃ」
結局マンガを読みたいだけかい!
だがこの甚平はお得だ。
これを着ていけば、祭りでも馴染む。
好感度は多少上がるんじゃないかな?
うん。そうとなれば早速着替えて出掛けよう。
俺の部屋の俺のベッドで寝転がりマンガを読む馬鹿=猫の横で、今着てる服を脱ぐ。
すると……
「他人がマンガを読んでる隣で、汚い物を見せるにゃ!」
と理不尽なクレーム。
ムカつくから脱いだTシャツを投げつけると、汚物を振り払う様なオーバーアクションでTシャツを払い除ける。
生意気だな……
着替え終わったし、日も暮れてきたからウキウキしながら1階へ降り出掛けようとする。
取り敢えず母さんに出掛ける旨を伝えると、
「あらあら、その甚平良いわね。もしかしてお祭りデートかしら?」
そう言ってコッソリ5000円をくれた。
「お姉ちゃんには秘密よ」
と釘を刺して。
うん。あの女に知られるとうるさいからな。
弟の俺に5000円なのだから、姉には10000円よこせ……ってな事を言い出すだろう。そしてその金はアニメとかゲームとかを買う為に使われる。
さて、その姉が自室に引き籠もってる間に、俺は祭りへと出掛けよう。
玄関を急いで出ると……
「おお、何だ音彦。随分とめかし込んで? 祭りでデートか?」
と、帰宅した父さんとバッタリ出会した。
「随分と気合いが入ってるみたいだから、麻里には内緒でこれをやろう」
そう言って母と同じ5000円を財布から取り出して俺にくれた。
そして「麻里には言うなよ。うるさいからな」とこれも同じ様に付け加えて……
何だ……凄ーな。
今までに貰ったアイテムの中で、一番有効なんじゃないのか?
甚平……凄ー。
軍資金も手に入れて、意気揚々と祭りが催されてる神社へ来た俺。
待ち合わせこそしてないけど、多分何処かに居るであろう
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