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空に星が輝く様に
453部分:第三十五話  プラネタリウムその六
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第三十五話  プラネタリウムその六

 二人が来る少し前にであった。椎名が自分の前に座っている赤瀬に対して言っていた。
「今日も絶好調ね」
「うん、今日は特にだね」
 赤瀬は次から次に食べていた。食べているのは。
「わんこそば大好きだけれどね」
「けれどもう二百杯」
「はい、どんどん」
「はい、もう一丁」
 赤瀬は次から次に椀の中のそばを食べていく。店の女の人、こういた店に相応しい黒に近い緑の和服の上に割烹着を着た妙齢のその人がそばを入れていく。彼はそれをどんどん食べているのだ。
 その彼に対してだ。椎名は言うのだった。
「何杯いけそう?」
「この調子だと三百は確実に」
「そう、いけるの」
「ひょっとしたら四百はいけるかも」
 そこまでだというのである。
「この調子だと」
「五百いける?」
 椎名はいつも通り表情を変えずに彼に問うた。店の中には他にも何人も客がいる。彼等もまたわんこそばを食べていた。彼等だけではなかった。
「そのまま」
「それはどうかな」
「いったらいこう」
 これが椎名の今の言葉だった。
「ここは」
「そうだね。いけたらね」
「おそばは身体にいい」
 椎名はまた言った。
「そう、とても」
「カロリーも少ないしね」
「赤瀬の場合はカロリーは必要だけれど」
「その分食べるといいかな」
「そう、食べる」
 何につけてもそれだった。
「食べて食べてそのうえで」
「身体をつくるんだね」
「赤瀬はそうやって身体をつくってそれで」
 それからもあるのだった。
「その身体を鍛えていくべき」
「そうだね。それで強くなってね」
「そうなるべき。じゃあ」
「うん、食べるよ」
 ここでまた一杯食べる彼だった。箸を動かすとまるでそばの、彼から見れば一口のそれが口の中に入ってだ。椀を空にした。
 その空になった椀にまた一杯入れられる。女の人がさっとそばを入れていくのだ。赤瀬に迷惑をかけず動きも止めないものだった。
 そうして食べてだ。遂にであった。
 赤瀬が椀を置いた時。店の人が椀を数える。その数は。
「五百です」
「いったんですね」
「はい、全部で五百十二です」
 それだけだというのだ。
「いってます」
「そうですか。いったんですね」
「いや、凄いですね」
 お店の人は純粋に赤瀬の偉業を賞賛していた。
「ここまで食べられる人なんて滅多に」
「いませんか」
「力士の人でいましたけれど」
 かなり特別な立場の人間の話が出て来た。
「その人は六百いきました」
「えっ、六百ですか」
「はい、六百丁度です」
 そこまでだというのである。
「うちのお店百杯以上の人は手形を飾ってますけれど」
「そこにあるんですね」
「はい、あそこに」
 見ればお店
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