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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
第二章 神徒駆逐
第三十二話 要害攻略
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が奴らは勲功を稼ぎやすそうだし。

城主のクレマンスこそダリューンに譲ったものの、ザラーヴァントは城へ一番乗りを果たし、イスファーンはそれなりの将の首級を挙げたそうで、奴らにはテキトーに賛辞を送っといた。まあ、これで多少は満足して独断専行を慎んでくれりゃいいんだけどな。

◇◇

私、エステルは、ラジェンドラ王子に渡された台本を確認しながらただただ冷や汗が流れるのを止められなかった。

「なあ、ラジェンドラ王子。私が、これをルシタニア軍に向かって喋るのか?」

出来れば冗談だと言って欲しいのだが。

「ああ、勿論大声でな。まあ、諜者が魔道で声を増幅するから声量に関してはそれほど心配は要らん。とにかく胸を張って一片のやましさをも感じていないと言った風情でな!」

「こんな神学的には突っ込みどころ満載な内容をか!後世の歴史家がきっと指を指して笑うぞ!」

「もっと未来ではいろんな掲示板でネタにされるだろうな。だが、お主は出来るだけルシタニア兵を殺したくはないんだろう?だったらこれを喋るのだな。何もせずに、望みが叶うなんて虫のいい話はどんな世界でも存在しないんだからな!」

「わ、判った…」

掲示板とは何のことだかよく判らないが、アルスラーンの嫁になった時点でもう私は引き返しようがないところまで来てしまっているのだからな。毒をくらわば皿までだ。もうどうにでもなれだ!…しかし、気が重い。

◇◇

いずれにしろ、これで王都エクバターナまでこちらの軍勢を阻む要害はなくなった訳だ。この後は、王都近辺で野戦対決だろう。そして、そこではエステルの弁舌が火を噴くはずだ。ああ、楽しみだなあ。

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