第九幕その八
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「本当にね」
「そうなんだね」
「そうよ、まあけれどね」
「けれど?」
「別にあんた達がそうしたいならね」
自分達がデュパンと言うことをです。
「それならそれでね」
「いいっていうのかな」
「そうよ、言いたいなら言えばいいのよ」
自分達がデュパンであることをというのです。
「そうすればね」
「どっちでもいいんだね」
「そこは人それぞれでしょ、しかもオズの国の法律にも触れていないし」
「そんなーー法律はーーないーーですね」
チクタクも言ってきました。
「オズの国ーーには」
「チクタクもそう言ってるし」
ここでチクタクの動きが鈍くなってきたのでナターシャ達でぜんまいを巻いてあげました、するとチクタクはまた普通に動ける様になりました。
「別にいいのよ、それは」
「言っても言わなくても」
「あんた達が好きにしたらね」
「そうなんだね」
「誰かが困る訳でもないし」
「むしろこの場所の名物になってるわ」
オズマが笑って言いました。
「デュパンの壁ってね」
「そうなのですか」
「ウィンキーの名所の一つよ」
「そうもなっているとは」
「知らなかったのね、けれどね」
「実際にですか」
「そうなっているの」
まさにというのです。
「だからね」
「それで、ですか」
「ええ、これからもね」
「ここに人が通るなら」
「デュパンが来たぞって叫べばいいわ」
「わかりました、それじゃあ」
デュパンも頷きました、そうしてでした。
一行はデュパンが並んで立っている壁に挟まれている道を通って先に進みました、その間デュパン達はずっとでした。
デュパンが来たぞと叫んでいました、その道を通り終えてです。
ナターシャはしみじみとしてです、こんなことを言いました。
「いや、デュパンのこともね」
「オズの国だね」
「この国ならではだね」
「妖精も普通にいる国だから」
「ああしたこともあるのね」
「そうよね、いや最初に見た時は何かしらと思ったけれど」
それでもというのです。
「オズの国ならではね」
「そうでしょ、他にも沢山の妖精達がいるけれど」
「ああしてですね」
「所々で出会えるのよ」
「オズの国にいると」
「そうなのよ、外の世界ではないわね」
こうしたことはとです、オズマは笑ってこうも言いました。
「滅多に」
「そうですね、妖精はいても」
「オズの国みたいにいつも会えないでしょ」
「はい、そもそもオズマ姫も」
ナターシャは他ならぬオズマ自身のこともお話しました。
「妖精ですし」
「そうでしょ、私自身もね」
「妖精ですね」
「光の妖精よ」
そうした妖精だとです、オズマは自分で言いました。
「私はね」
「そうでしたね」
「その私が言うけれど」
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