第二章
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「いい銃だろ」
「狙撃用の銃ですか」
「ああ、あたしは狙撃兵だろ」
綺麗な先輩だった、大人びていて明るい顔立ちの。由紀はこの先輩によく可愛がってもらっていたのだ。
「そうだろ」
「はい、前も戦場に出られていましたね」
「そうだよ、けれどな」
「けれどですか」
「実はこの前目をやられたんだよ」
「えっ、目をですか」
見れば先輩の目は何もない、奇麗なままだ。
それでだ、由紀は先輩の今の言葉に怪訝な顔になって言い返した。
「見たところ」
「網膜剥離になったんだよ」
「網膜剥離ですか」
「手術受けるさ、今度」
「そうですか」
「それでもな、もう目がそうなるとな」
網膜剥離、この病気になるとというのだ。
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